コロナワクチンのアンジェス創業「阪大教授」、逮捕状の出た「NMB元メンバー夫」との関係

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森下、結城両氏の回答は?

 森下氏に結城氏との関係などについて、聞いてみると、以下のような回答があった。

――まず、アンジェスがこれまでことごとく事業化に失敗しているという指摘については?

《アンジェスに関しては、既に昨年期限条件付き承認制度により、HGF遺伝子治療薬コラテジェンを上市しておりますので、事業化に一つは成功しております。コラテジェンは、世界初の血管再生遺伝子治療薬で、日本初の遺伝子治療薬になります。創業以来事業化に成功していないのではないかという批判をネット上でも見ますが、私は事実ではなく、少なくともコラテジェンに関しては事業化に成功していると認識しています》

《他の高血圧DNAワクチン、新型コロナに対するDNAワクチンは、現在進行中です。新型コロナに対するDNAワクチンの開発が難航するかどうかは、正直わかりませんが、我々としては最大限の努力をしています。他のDNAワクチンは、アンジェスでは手掛けておらず、なんともいえません。過去の他社でのDNAワクチンの開発に関しては、対象とするウイルス流行が収まったため、上手くいかなかったと認識しています》

――結城氏のインスタグラムに登場することについては?

《まず、◎◎氏、あるいは、結城氏(2つ名前があるんですか? どちらが正しいかもわかりませんが)、と親しくしていることに関しては、間違いではないでしょうか。お会いした覚えはありますが、年代も異なりますし、バックグラウンドも違いますので、友人と言えるような関係ではありません。はっきりとした記憶はありませんが、世間話の中で◎
◎◎さん(=結城氏の以前の名)という方からクローンの相談は受けた覚えはありますが、荒唐無稽であり、現実的ではないということを説明しました。私は、クローンの専門家でもなく、誰かを紹介できる立場でもありません。人道的にも人のクローンはありえませんし、現時点では技術的にもできないと理解しています》

 ポイントマーケット株式会社との関係は?

《ポイントマーケットの株主ではありますが、結城氏が支配しているという認識はありませんし、事実でもないと理解しています。株主名簿にも、名前はないと思いますが。高福さんが社長で、そこからの関係で特許の相談を受けて、そこから株主になっています。結城氏は、どなたか財界関係の方の会合でお会いしたと思います》

 また、結城氏にも見解を聞いたところ、

《クローンの開発のアレンジについて、大阪大学の森下さんには可能かどうかの確認を自分から直接ではなく、人を介してしたが、無理だという回答をもらった。自分としては海外の複数の島の購入をしたので独自のルートで可能なことを模索している》

――ポイントマーケットについては?

《ポイントマーケットの実質的な経営になんか全くかかわっていない。会社に一度たりとも行ったことすらない。なんなら半年以上日本にも帰っていないのに支配のしようがない。知ってる経営コンサルタントの会社や、有力な上場企業の社長などは複数人1年以上前に紹介はした。社員に知ってる人間も何人かいてるし、人を紹介した手前もあるから成功はしてほしいと思ってる》

――そもそも、森下氏との接点はいかなるものだったのか?

《森下さんとどこで出会ったかについての、詳細については先方の個人情報にもかかわる可能性もあるので、細かいことは言及しないが、経営者の集まりの会で見かけて、バイオについては興味があったから話しかけた。が、こちらについても1年以上会ってもない》

――さらに、旅券返納命令については?

《すでに弁護団から以下のような不服申し立てを行なっており、こちらとしてはレスポンスを待っている状態である》

《不服申立人は、氏名が変わったので、旅券を変更する必要について、申請窓口に聞きにいったところ、新しい旅券に切り替えるように担当者にとその場で言われた。そして、申請内容についても、担当者の言われるがままに記載しただけものである(原文ママ)。このときに、担当者に、過去の履歴がどうだとかそんなことを聞かれることも一切なかった。こちらとこちらにチェックをしてお名前を書いてください、と言われるがまま書いたに過ぎない。よって、不服申立人としては、過去歴を偽る主張をして、新しい旅券をつくったわけではない》

《そもそも旅券の有効期限は、「◎◎◎◎◎」名義(以前の氏名)として十分な期間が残っており、改めて不実の告知を行なって申請をする必要は一切なかった。しかし、名前が変わったという事で、申請窓口に質問に行ったところ、その場で、担当者から指示をされるがまま切り替えの申請を行ったにすぎないのである。不服申立人としては、「結城貴」と改名しており、戸籍も新しくなっていることから、「◎◎◎◎◎」名義(以前の氏名)のときの経歴については、旅券を申請するときに記載する必要はないと思い、記載しなかったものである。申請窓口の担当者からも何も言われなかった》

《不服申立人は、いつでも、追加の申請等には応じる意向はある。よって、不服申立てをする処分の取り消しを求めるものである》

《不服申立ての趣旨及び理由は、上記の通りであるが、不服申立人は、外国などの移動の自由が制限される恐れがある。移動の自由は、憲法上も保障されている権利であるので、不服申立てをする処分は速やかに執行が停止されるべきである》

 森下氏は東京・麻布十番に会員制のワインバーを持つというから単なる学究肌の教授というわけではなさそうだ。コロナワクチンもIR芸のネタにされていないことを祈りたい。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月10日掲載

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