京都「祇園」の舞妓2人がコロナ陽性 遅れた公表、関係者は「ホストクラブよりあかん」

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ホストクラブよりあかん状態

 7都道府県に緊急事態宣言が発令された4月7日から、祇園甲部を含む京都五花街では、お茶屋の休業や芸舞妓の稽古の中止などの営業自粛措置をとっていた。6月から営業は再開されたが、その際、先の組合の説明にある「ガイドライン」を設定。〈客同士や芸舞妓と客の間隔を1~2メートルあける〉〈おちょこやグラスなどの回し飲みは避ける〉〈濃厚接触になりかねないお座敷遊びは禁止で、主に歓談と芸事の披露とする〉といったルールが定められた。だが、祇園甲部の関係者は「守られてなんかいませんよ」と、こう語る。

「お客さんを前にして『コロナですからできまへん』なんて、とても言えません。実際、お座敷に呼ばれた舞妓さんも『結局は誰が飲んだか分からない器で回し飲みをしています』と言っていますから。冗談めかして『死にたくない』なんて言っている子もいますが、呼ばれた女の子たちが“その場の流れ”でお座敷遊びをやらざるを得ないのは当然。一緒にスナックに行ってカラオケ、というケースも多々ありますよ」

 ホストクラブなど「夜の街」でも感染者は相次ぐが、

「10代の、しかも他人様の子を、責任をもって預かるのが置屋です。そこはホストクラブとは違います。ましてホストは店が終われば家に帰りますが、舞妓たちは寝起きを共にするわけで、感染も拡大しやすい。さすがに身売りの時代ではないとはいえ、奉公の文化はまだ残っていますから、女の子たちは体調不良でも言い出しにくいわけです。こんなんじゃ親御さんも安心して預けられないですよ。今のお茶屋は、ホストクラブよりあかん状態です」

 組合の発表では全員陰性だったというが、クラスターは起きやすい環境だというのだ。

 コロナで観光業は大打撃を受け、祇園の被害も決して小さくはない。祇園祭の名物である山鉾建ても、今年は中止となった。花街としては、長い自粛が明けた矢先に、感染者が出てしまったわけである。コトを荒立てたくないとの組合の考えには、この関係者も一定の理解を示すが……。

「祇園のクロネコヤマトだって、コロナが出たと発表したわけです(※6月29日、男性ドライバー4人が感染したとヤマト運輸は発表)。それでも組合はひた隠しにしてきたわけで、日本の歓楽街を代表する祇園がそんな対応でいいのでしょうか。お客さんにだって申し訳ないですよ。しかも陽性の子2人が出た置屋は、変わらず営業を続けているんです。歴史あるがゆえの『自分たちは特別だ』という意識が透けて見えます」

 陽性の2人は現在入院中だが、この置屋にはほかに一人、実家に帰らされている舞妓がおり、その子もコロナ陽性なのではないかと、界隈からは不安の声が上がっているという。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月7日掲載

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