刑務所に戻りたい……出所して2日後、盗んだトラックで2人をひき殺した中年男の素顔

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 シャバに出てきたばかりの元受刑者が、やっぱり刑務所のほうがマシと、わざと無銭飲食で捕まる。いわゆる“刑務所志願”というものだが、まさか見ず知らずの人を、2人もひき殺すとは……。容疑者の男は今後、どう裁かれるのか。

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 5月31日午前7時55分頃、福島県三春町の国道288号で、ボランティアで清掃活動中だった男女がトラックにひき逃げされ、死亡するという事件が起こった。現場は、ほぼ直線の片道一車線だった。亡くなったのは、会社員の橋下茂さん(55)と同じく三瓶美保さん(52)である。

 この日、地元の清掃活動「桜川をきれいにする会」のメンバー約40人は、7時頃から草刈りやゴミ拾いをしていた。2人は町内会の班長になったのを機に、初めて清掃活動に参加。ゴミ拾いをしながら、路肩を一列で歩いていたところを、車体をガードレールに擦りながら加速してくる準中型トラックにはねられ、搬送された病院で死亡が確認された。

 所轄の田村署は通報を受け、ただちに緊急配備。トラックの行方を追っていたところ、同日午前中に、現場から南に約15キロ離れた須賀川市内で、車体前部が破損し路肩に止まっていたトラックを発見。運転席にいた、盛藤(もりとう)吉高容疑者(50)を、道路交通法違反(ひき逃げ)、中型免許を持っていなかったことから自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許過失運転致死)の容疑で緊急逮捕した。地元記者が解説する。

「容疑者は逃げた理由を『怖くなって逃げた』と供述していた。そのため通常のひき逃げ事件だと思っていました。警察も翌日には福島地検に送検したほどですから。しかし、容疑者は事件の2日前に出所したばかりであること。『出所後の生活に不安があり、刑務所に戻った方がマシだと思った』『(ひき逃げの対象は)誰でもよかった』などと話し始めたことから、警察は捜査に交通部だけでなく、殺人事件を担当する刑事部も投入したんです」

 盛藤容疑者は、5月29日に出所したばかりだった。そのまま郡山市の知人宅に滞在し、知人の経営する会社で働くはずだった。しかし、31日朝に知人のトラックを盗んだ。およそ5キロ離れた現場に向かい、国道を歩く2人を発見する。いったんは通り過ぎ、Uターンして2人を襲ったのだ。

 刑務所に戻りたいという理由で、殺人事件を起こすなんてありえない。ちなみに、ひき逃げ(死亡の場合)は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金、無免許過失運転致死は6月以上20年以下の懲役である。重くても20年以下の懲役というわけだ。捜査員たちにも、これだけで済ませるものか、という意識があったはずである。

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