地方の風俗はどう変わったか? コロナ前・最中・後とで…現場リポート
都市部の出稼ぎや休業中のキャバ嬢が地方へ大移動
地方は都市部とは異なり、コロナ禍でも出張客の減少など多少の影響はあってもそれなりに風俗の需要はあった。そのため出稼ぎ風俗嬢などが殺到したが、4月7日の緊急事態宣言の発令で状況は一変、客足は途絶え供給過剰に。店は目先の利益に狂奔する一方で、梅毒の感染者も続出し、地方の風俗は崩壊寸前とも言われている。4月15日以降、感染者がゼロの秋田県を例に地方風俗の現状を追った。
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自粛要請が出る前から既に首都圏の歓楽街に人通りはなかった。例えば千葉市の繁華街・栄にいた20代の客引きは、声をかける相手もない路上で退屈そうに立っていた。
「声をかけようにも週末ですら誰も出歩いていません。路上にいるのは同業の客引きと地回りのヤクザくらいなものでした」と、2月の様子を振り返る。連日報道される感染者数や未知のウイルスに対する都市部の住民の恐怖心は高まるばかりだった。
一方で、地方の感染者数は極めて少なく、歓楽街は比較的活発だった。都内や大阪など都市部のスカウトマンたちは当時、東北や山陰地方などコロナ感染者の少ない土地向けに担当する風俗嬢を売り込むことに忙殺された。出勤制限がかかり生活苦のキャバクラ嬢や突然アルバイト先を失ったフリーターから、TwitterなどのSNSを通じて問い合わせが殺到したという。
スカウトマンの1人は「いくら地方の風俗が東京と比べ動きがあるといっても、所詮地方の小さな需要です。大した人数は店側も必要ありません。完全な買い手市場で女の子に支払う最低保証(客の有無にかかわらず支払う報酬)なんて交渉もできませんでした」と話す。完全歩合制の風俗業でも待機所の収容人数には限度があり、何人でもという訳にはいかない。男性は、北は青森、南は鹿児島までコロナ感染者の少ない地域へ女性を斡旋したという。
そうしたスカウトマンの仲介により、地方にはかなりの数の「出稼ぎの風俗嬢」が押し寄せた。その上、コロナの影響で売上が激減して出勤制限をかけられた地元のキャバクラ嬢ら飲食店の女性も風俗勤めを始めたことで、完全に供給過剰となっていた。
そこに4月、緊急事態宣言が発令。コロナ感染の少ない地方でも警戒感が増し、客は一気に霧散した。兼業の風俗嬢や家庭を持つ風俗嬢はみな休業。当時出勤していたデリヘル嬢によると、店内の待機所には独身のベテランと出稼ぎ組、短期で稼ぐつもりの兼業風俗嬢などしかいなかったという。
秋田市のデリヘル関係者は、「あの頃は電話がほぼ鳴らず、鳴ってもリピーターが中心。フリー(指名など)のお客さんはほぼいませんでした」と当時の状況を説明する。
ごくたまに新規の客が電話してくることもあったが、大体が「通常なら即出禁になるような連中ばかり」(前同)だったという。そうした客についたことのある20代のデリヘル嬢が具体例を教えてくれた。
「印象に残っているのは50代くらいで、マスクと競泳用ゴーグルを着けて手術で使うゴム手袋をしているお客さんでした。キスもラップ越しだったのに下はゴムを着けず『お小遣いあげるから』と無理やり押し倒されそうになりました」。
この女性は断ったそうだが、少ない利用客で生活費を稼がなければいけない風俗嬢の中にはそういった客を受け入れるケースもあったことは想像に難くない。18~20代前半の若い嬢ばかりが指名されていたのも、ムリな要求に応じる割合が高いと悪質な客側が判断したためだろう。
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