河井前法相が“もっと悪い奴がいるのになぜ”と官邸にキレた広島のお家事情
“地盤”沈下する岸田氏
検察は、河井陣営によるウグイス嬢への法外な報酬支払いを端緒にガサをかけ、その結果、今回の逮捕容疑に繋がる「現金配布リスト」を手に入れた。パソコンからデータを削除したり、書類をシュレッダーに掛けたりなど証拠を隠そうとしたようだが、小渕優子元経産相の事案のように、ハードディスクにドリルで穴を開けるくらいではないと当局は証拠を再現してしまうということだ。
もっとも、徹底的にその捜査が進むにつれて浮き彫りになったのは、ポスト安倍で名前が上がる岸田氏の体たらくだった。
「岸田さんがちゃんとやっていれば案里さんは落選し、子分の溝手さんが当選し、となると、河井夫妻の逮捕はなかったよねという話になっていて、岸田さんの株がさらに下がった印象です。差し当たって広島では、日本維新の会にいた女性が離党したことが注目されています。その後ろには二階幹事長がいて、彼女を克行さんの地盤である3区から出馬させることで話が進んでいると噂されています」
二階氏と岸田氏とは因縁が深く、岸田氏の望む幹事長就任を二階氏が阻んできたし、岸田派の候補が出馬する選挙区に二階派の候補をぶつけるなど、表立ってケンカを売ってきた。ちょうど7月2日は会食をしたが……。
「岸田さんはハッキリものを言えなかったから二階さんに足元を見られ、いいようにやられてきたし、また今回も広島3区の件でそうなるかもしれない。安倍さんからの禅譲を目指している時点で、永田町の面々は“自分に力がないってことを認めているんでしょ”と思っているし、鼻白んでいる。さらにこの3区でも自分の派閥から候補を擁立できないとなるとポスト安倍どころじゃないことは、誰が見ても明らかです」(先の官邸関係者)
広島の城さえ治められない者が全国制覇など夢のまた夢だというわけだ。
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