韓国で最も「尹美香=挺対協」を知る記者の告白、「6年に亘る我が闘争」

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100%完全勝訴、若者の確かな目

 判決は17年10月末。メディアウォッチの100%完全勝訴だった。裁判官は「従北」の指摘をはじめ、18余りの争点の内、いかなる虚偽もなかったことを明らかにした。この判決が文在寅政権下で出たことが信じられない。その後の二審、日本の最高裁に当たる大法院でも一審を最終追認したのだが、一審の判決が出た1カ月後、関連性がまるで希薄な一件で筆者は拘束され、保釈されるまでの6カ月間、ソウル拘置所に収監された。その背景には文在寅政権の焦りがあったと筆者は見ている。

 冒頭に触れた通り筆者のように日本と何の縁もない者にも、敢えて法的、政治的リスクを覚悟して日本を弁護する気にさせるほど「真実」には確固たる力がある。

 少なくとも慰安婦問題に関して、日本は今後、確かな自信を持って韓国に対峙することを望む。そしてそれは、日韓関係の改善によい影響を与えると考える。

 慰安婦問題に関しては、すでに全ての真相がかなり前から日本では知られるところだ。そこには、日韓国民の間にある大きな認識の違い、情報不平等があるだけだ。水が高い所から低い所へ流れるように、左派政権と左派媒体がいかに妨害しようと、いつかは韓国人もこの問題の真実を知ることになるだろう。

 現実に韓国の世論も少しずつだが変わりつつある。筆者は十数年前から韓国のインターネット辞典などで「日本軍慰安婦」の項目を検索しているが、最近の若いネットユーザーたちがどのような反応をしているかしっかりと見ている。

 日本の立場を省略し、一方的に韓国の立場だけを叙述する主流左派媒体と違い、中高年の凝り固まった物の見方から自由な若いネットユーザーたちは、日本の立場もインターネット辞典に書き込んでいる。ニュースのファクトチェックを行うインターネット媒体も出現しており、「日本の放射能デマ ファクトチェック」というタイトルのメディアもその1つだ。韓国に広く拡散している、福島第一原子力発電所にまつわるフェイクニュースを分析・批判するシリーズ企画記事を掲載している。

 韓国では、メディアウォッチがマスコミの“反日関連誤報”を取り上げるたびに、それが「本邦初の指摘」「初出」となる笑えない時代があった。そんな時代が早く終わることを願ってやまない。

黄意元(ファン・ウィウォン)
1977年生まれ。韓国慶北大邱出身。メディア批評「メディアウォッチ」代表取締役。 研究倫理問題に対処する傘下の研究所である「研究真実性検証センター」の長を兼任している。2010年に韓国鉄道大学を卒業し、韓国容認素材、カナダ系の鉄道会社であるボンバルディア(Bombardier)韓国支社、韓国釜山素材釜山交通公社にて勤務。メディアウォッチに記者として参加した後、主に科学、医療、学術問題を担当してきた。KBS視聴者委員、水道水フッ素濃度調整事業の技術支援団委員、科学中心の医学研究院院長、大韓医師協会諮問委員などを歴任。韓国の日本大使館前の慰安婦少女像デモ反対運動に参加中。 [email protected] https://mediawatch.kr/

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月2日掲載

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