新型コロナ、「本日の感染者数」に一喜一憂する人が忘れがちな“死者数の傾向”

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折れ線グラフが物語る事実

 6月28日の広報資料を使って、世界のワースト10と、アジア各国の状況を表にしてみた。ご覧いただきたい。まずは世界のワースト10からだ。

 以前は欧米諸国がベスト10を“独占”してきたが、感染が拡大するにつれ、変化が生じてきたことが明確に分かる。

 ブラジル、メキシコ、インド、イランの4か国で死者数が大幅に増えている。こうした国々は欧米の先進国と比較すると、衛生面や医療施設に問題のあるところが少なくない。今後、更に世界中の注目を集めるだろう。

 それでは、次はアジア各国の状況をご覧いただこう。

 こちらも、頭の中にあるイメージと異なる印象を持った方もおられるのではないだろうか。

 インドが突出している一方、日本と韓国以下の4国は3桁台にとどまっている。死亡者0人の国や地域もあり、アジアの場合はベトナム、カンボジア、ブータン、モンゴル、そしてマカオとなっている。

 それでは最後に、日本では新型コロナが原因で亡くなった方が、どのような増減を示してきたか、1日の死者数を折れ線グラフにまとめてみた。

 資料の出典は、同じ「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」だ。一部、その数字に改変を加えているが、理由などは末尾に記した。まずはグラフをご覧いただきたい。

 東京都における最近の感染者数は、若者の割合が高かったり、“夜の街”でクラスターが発生したりしていることから、SNS上では非難する投稿も珍しくない。

 だが、現時点でピークは91人が亡くなった4月22日で、グラフ上でも突出している。その後は細かな上下動はあるにせよ、減少に向かっているのだ。

 もちろん今後、急速に感染者数も死者数も増加する可能性はある。それが現実化した際は、“正しく恐れる”必要があるのは言うまでもない。

 だが、繰り返しになるが、今のところ死者数は減少傾向を見せている。そこまで“夜の街クラスター”を声高に攻撃する必要はないのではないか。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月1日掲載

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