プロ野球初の珍記録 “投手同日本塁打”は無観客試合が影響?
6月19日、コロナの影響で3カ月遅れてプロ野球が開幕した。
球場に観客はいない。そんな異様な雰囲気のなかで、2人の開幕投手が放った本塁打が耳目を集めた。
一人は阪神の西勇輝(29)。対する巨人の開幕投手、菅野は3回二死までパーフェクトピッチングだったが、
「菅野が投じた147キロの直球を弾き返し、左翼ポールに先制弾をぶち当てた。5回にはタイムリーツーベースも放っています」
とスポーツ紙デスクが舌を巻く。もっとも、試合は、後続投手がリードを守れず、2-3で阪神が敗れた。
もう一人は、広島の大瀬良大地(29)。DeNAの開幕投手、今永から5回に同点タイムリーを打った上、2-1で迎えた9回には、国吉から2ランホームランを放って試合を決めた。
「しかも、流し打ちで右翼スタンドに一直線。野手顔負けの豪快な一発でした」
“開幕で2投手が本塁打”は史上初の怪現象である。
「やはり“無観客”のせいかもしれませんね」
とは先のデスク。
「投手が打席に入ると応援のテンションは下がりますよね。そのせいで、打つ側のモチベーションが下がり、投げる側は呑んでかかる。でも、無観客だと、そんな“予定調和感”がなくなるような気がするんです」
心理学で“期待されると成果が出る”ことをピグマリオン効果と呼ぶ。逆に“期待されないと成果は出ない”わけで、平時に投手が打席に立つとそれが起こる。だが、無観客では期待も何もなく、そうはならない。
異例のシーズンを象徴する珍事。次は何が起きるか。