慰安婦デモ28年の歴史にピリオド・聖域を解体…「歴史的な水曜日」を語る
「反安倍反日青年学生共同行動」の登場
2020年6月24日は、「歴史的な水曜日」として記録された。日本大使館前に設置された慰安婦像の前で、右派市民団体の自由連帯(李煕範/イ・ヒボム代表)らが、「共に民主党」所属の国会議員・尹美香(ユン・ミヒャン/55)の議員辞職と「正義記憶連帯」の解体を要求する集会を開催した。言うまでもなく、そこは、尹美香議員と議員が代表を務めた「正義記憶連帯」が、日本軍慰安婦に関連し、28年に亘って毎週水曜日に集会を開いて日本に謝罪を要求してきた場所である。
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集会を開いた経緯について、当事者である自由連帯の金相鎮(キム・サンジン)事務総長に聞いた。
――自由・右派の市民団体として初めて「慰安婦像」の前で集会を開いた理由は何ですか?
今年5月、「日本軍慰安婦」被害者の李容洙(イ・ヨンス/92)さんが行なった暴露記者会見。結果、慰安婦被害者らを代弁してきたという「正義記憶連帯」とその理事長だった尹美香議員が、善意を持つ人々を騙してきたことがすべて明らかになった。
どうするべきか悩み、尹美香議員と「正義記憶連帯」の偽善集会ともいえる日本大使館前の「水曜デモ」を中止させ、彼らに法的責任を負わせるべきだという結論に達した。5月中旬のことだ。
そして、その気持ちが固まった10日後に、「正義記憶連帯」が過去28年間、集会を開いてきたソウル特別市鍾路(チョンノ)区の日本大使館向いにある慰安婦像の前で集会を開催する集会申告書を警察に提出した。
――「正義記憶連帯」を追い出して集会を開いたことについて、もっと詳しくお願いできますか。
自由・右派陣営で多くの集会を主管した一人として、「集会及びデモに関する法律」(以下「集示法」)を、警察より知っていると自負している。実際、当初は「正義記憶連帯」が日本大使館で開催してきた「水曜集会」は、「集示法」に規定された「集会」ではなく、記者会見にかこつけた「便法集会」だと推測していたが、ペン・アンド・マイク記事を読んでそうではないことがわかった。
ソウル鐘路警察署が「正義記憶連帯」の日本大使館前での集会を事実上庇護してきた状況が記事によく表れていた。鐘路警察署の集会申請受付担当者の意思なのか、 おそらくは上部から何らかの指示があったのではないかと思う。
「対国民詐欺集団」ともいえる「正義記憶連帯」を解体させて、尹美香議員を辞職させる目的を達成するには、まず「正義記憶連帯」がこの28年間、毎週水曜日に集会を行ってきた聖域、その場所から締め出すことが重要だと考えた。そのためには「集会開催団体」にならなければならない。 鐘路警察署には、集会申請を待つ市民のための待合室があり、そこで24時間座り込みをしながら、集会申請書を最初に提出するボランティアを集めるまで10日かかった。
「集会及びデモに関する法律」には、集会開催予定日の720時間前から48時間前の間に集会申告書を提出しなければならないという規定がある。「720時間前」は日数で言うと「30日前」で、日本大使館前の「正義記憶連帯」側の集会を追い出すことを決意してから、ボランティアを集めて集会を開くまで約40日かかった計算だ。
――「正義記憶連帯」や支持者からある種の抵抗を受けると予想していましたか?
当然だ。集会申請前の段階からそう仮定して戦略を立てた。まずは、制度レベルの「妨害工作」だった。金永椶(キム・ヨンジョン)鍾路区長は、尹美香議員が現在所属している与党「共に民主党」の党籍を持っている。実は、私たちはすでに光州広域市でも似たような経験をしたことがある。光州で集会を開こうとした時、民主党所属の李庸燮(イ・ヨンソプ)光州市長が「新型コロナウイルスの防疫対策」と称して集会の開催を禁止する行政命令を宣言したため、集会を開催できなかった。
鍾路区の光化門広場一帯は今年2月から新型コロナウイルスの拡散防止対策の一環で、集会禁止区域に設定されている。ところが、慰安婦像が置かれている日本大使館前の路地だけ集会禁止区域から除外されている。なぜか。「正義記憶連帯」の「水曜デモ」に行政が配慮したと推論するのが合理的だろう。
金区長は「集会禁止区域」を拡大しなかった。自尊心がかかっている問題だったようだ。光化門広場一帯に集会禁止区域が初めて設定されてから4カ月経った今、慰安婦像がある路地を'集会禁止区域'に指定すると、区長の体面が保たれない。
次に、「正義記憶連帯」ないし彼らの支持者による「直接行動」を警戒した。どうやら「正義記憶連帯」は直接出ない代わりに「反安倍反日青年学生共同行動」という学生前衛組織を前に出したようだ。
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