北“宣伝ビラ”風船団団長が語る…「人生を捧げた配布、こうすれば北は崩壊」

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「ソ連はラジオによって崩壊した」

 大型風船を開発した2005年7月から2011年3月まで、北は37回にわたってビラの散布中断を強く要求してきた。政権にとって大きな脅威となっているのは間違いない。

 金一族が北の住民の目を逸らそうとしても、ビラに書かれている内容を読み、目に見えるモノが全てではないことに気づく。「地平線の向こうに違う世界、豊かな社会があることを教えてくれた」。それは、脱北者が私に直接話してくれたことだ。2~3千万ウォン(1ウォン=0.09円)かけて1度に数十万枚のビラを風船で飛ばすことができれば、北の政権は崩壊するだろう。

 ソ連生まれでピョンヤンに留学経験がある専門家のランコブ教授は、「ソ連は(韓国からの反共)ラジオ放送によって崩壊した」と結論付けており、その言葉は対北ビラの実効力を証明しているように思う。

 にもかかわらず、今日、韓国政府はこの対北ビラ散布について公権力を挙げて阻止を図っている。風船開発を行っている作業場は役所によって封鎖され、警察は家宅捜索を行い検察に告発しようとしているのだ。

 私はこれに屈するつもりはない。韓国の法律の範囲内で正々堂々、良心に従い対北ビラを飛ばし続ける。北が見せしめのように対南ビラを飛ばしたり、あるいはマスコミが騒ぎ立て私の行動を非難する風潮があるが、そんなことは気にせず、ビラが正確に北で撒かれるため、絶好の風が吹く機会を狙うだけだ。北に住む同胞を独裁のくびきから解き放つために、人生の全てを対北ビラに捧げる。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月28日掲載

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