柴咲コウ言及「種苗法改正法案」で江藤農水相“俺を森雅子にするのか”と激怒

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このままでは日本の農家が窮地に…で大反響

 新型コロナウイルスの流行で撮影スケジュールが延期になったためか、芸能人が「社会派ツイート」をするのが流行している。

 新聞記者との賭け麻雀で一躍有名になった黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長をめぐる「検察庁法改正法案」では、あまり政治的な発言をしない芸能人が「#(ハッシュタグ)検察庁法改正案に抗議します」をつけて続々投稿し、数百万ツイートを記録した。

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「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」(俳優の井浦新さん)、「コロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案」(演出家の宮本亞門さん)をはじめ、芸人の大久保佳代子さん、俳優の小泉今日子さんも発言した。

 ネット上の反響が黒川氏の辞任につながり、検察庁法改正法案が廃案に追い込まれた面は大きい。実は芸能人ツイートは他の改正法案にも打撃を与えていた。農水省所管の種苗法改正法案だ。

 種苗法の改正法案について説明しよう。この改正法案は近年、海外にイチゴや高級ブドウ「シャインマスカット」といった農作物の種苗が流出している現状を踏まえ、新品種の権利保護を目的としたものだ。新品種の開発者が栽培地を国内や特定の都道府県に限定し、違反行為については裁判所に差し止め請求できるようにする。また、農家が収穫物から種子を採取して次期作に使用する「自家増殖」も制限し、許諾制を採用する。これは誰が自家増殖しているかを把握し、第三者に渡るリスクを減らすことを狙ったものだ。

 この改正法案をめぐっては、歌手で女優の柴咲コウ氏が「このままでは日本の農家が窮地に立たされてしまいます」「これは、他人事ではありません。自分たちの食卓に直結することです」と反対意見を表明したことで、急激に注目を集めた。事情に詳しい農水省関係者はこう解説する。

「いや、まさに青天の霹靂でした。なんで柴咲コウが? という感じです。これまでもこの改正法案は民主党政権時代に農林水産大臣を務めた山田正彦さんや一部の市民団体が反対し続けていましたが、こちらとしては彼らの反論はピントがずれているなと感じていたからです」

「今回の法案では、自家増殖の禁止を高級品種など一部に限定している上、許諾料についても市場原理が働くため大幅な値上げには踏み切るのは難しい。反対派は許諾料が大幅に引き上げられて農家の負担になるというようなことを言いますが、はっきりいって種苗メーカーや種苗家がそんな横暴を働けば狭い農家の世界では村八分にされてしまって商売が成り立たない。海外で種苗メーカーが非常に高価な価格設定をしているという意見もありますが、それは途上国の話で、農家のレベルが高い日本ではおよそあり得ないことです」

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