子会社売却で「いきなり!ステーキ」に特化 ペッパーフードサービスは再生できるか
6月18日、「いきなり!ステーキ」や「ペッパーランチ」を展開するペッパーフードサービスが、ペッパーランチ事業の売却を検討していると報じられた。同社の2019年12月期は、2年連続となる27億円の赤字を計上。さらに、新型コロナで追い打ちをかけるように業績は悪化している。「ペッパーランチ」売却は、起死回生の一手となるか。
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ペッパーランチ事業売却の報道を受け、ペッパーフードサービスは「決定した事実ではない」とコメントを発表している。
「決定した事実ではないとはいえ、完全否定のコメントではなかったので、19日株式市場は好感して株価が15%上がりました。ところが、22日はまた下がっています。要するにマーケットは、経営回復を信じていないと見ているということでしょう」
と解説するのは、ビジネス評論家の山田修氏。
「昨年12月期決算の有価証券報告書には、“継続企業への懸念”と監査会社から指摘されました。つまり、倒産の危機があるということです。こういう指摘が出ると、銀行は融資をしてくれません」
ペッパーフードサービスは、18年度は1億2100万円の赤字、19年は約27億円と赤字が拡大している。さらに4月30日、新型コロナウイルスの影響で2020年12月期第1四半期(1~3月)の決算発表の延期を発表した。
「開店から15カ月以上経った店を既存店と言います。『いきなり!ステーキ』の既存店は、昨年の夏から毎月3割以上減り続けているのです。そこへ新型コロナでさらに売上が悪化しました。ペッパーフードサービスの売上は、いきなり!が84・6%を占め、ペッパーランチが13%、残りはレストランや通販になっています。メイン事業のいきなり!は売るわけにいかないので、ペッパーランチの売却を考えたわけですね。実際、今年4月から売却準備を進めていて、ペッパーランチを6月1日に子会社に移しました。売却しやすくするためです」
ペッパーランチの売却額は、100億円を見込んでいるという。
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