奴隷少女がしるした実話――「アメリカの奴隷制度のおぞましさを知った」
アメリカのミネソタ州ミネアポリス市で非道な白人警官が引き起こしたジョージ・フロイドさん暴行殺害事件は、いまや世界中に「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」運動の輪を広げ、人種差別への抗議デモは今月14日、東京・渋谷でも行われた。
アメリカ社会にとって宿痾ともいうべき黒人差別、そして連綿と繰り返されるこの種の暴力沙汰。アメリカでは、南北戦争当時に奴隷制を支持した南軍指導者の像や記念碑が引き倒されたり、ケンタッキー州で州議会議事堂に設置されていた南部連合の初代大統領像ジェファーソン・デービスの像が撤去されるなど、歴史を遡ってこの問題を問い直す動きが活発化しているが、19世紀に白人による性的虐待を告発した、一人の偉大な黒人少女がいたことをご存じだろうか。...