“テラハ”ロスをいやす「Nizi Project」、熱狂・心のデトックスの最終選考

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Jポップに理解を示すプロデューサーの“道徳授業”

 当然、J.Y.PARKのポテンシャルに負うところが大きく、彼の発言やアドバイスが放送時間に占める割合も短くない。

「彼はJポップ好きで小室哲哉さんと対談したこともあって、日本への愛をすごく感じますね。話に時折、日本語が混じってそれはたどたどしいものではあるけれど、いやそうだからかもしれませんが、とても惹かれるという人が多いですね。たとえが適当かわかりませんが、テレサ・テンの歌声に懐かしさを感じて心奪われたのと近い感覚でしょうか。とにかく、メンバーがパフォーマンスをした後の講評が好評で。たとえばシーズン2の第7話で、“真実、誠実、謙遜の気持ちを大切にしてほしい”などといった話をしていました。“アーティストである前に人間であることを大事に”というのも彼のモットーで、道徳の授業か? って思うほど。実際、彼みたいな人が上司とか社長だったらいいのに……なんて書き込みがSNSにあるくらいです」

 アーティストとしての実績のみならず、プロデューサーとしても世界の名だたる面々と伍する活躍をしてき人物の言葉だけに、説得力があるのは言うまでもない。

 韓国の芸能関係者によると、

「韓国では、デビュー前に2年から4年ほど修業というかトレーニングに時間がかかります。そうでないと国民に認められないし、まして世界では戦えない。最終選考に残ったメンバーは今でこそ、セクシーでカッコいいイメージを作ることができつつありますが、元々は全くそうではなかった。清純派とか美少女とか制服が似合うとか、日本でマッチしそうなアイコンとして売り出すことの方が簡単だったのは間違いない。そこをほじくり返して女の子が実際に変わっていく姿を視聴者は目の当たりにしているから、ハートを掴まれても不思議ではないですね。リアリティショーじゃなくて、リアルなんです」

 オルチャンメイクと呼ばれる韓国風のメイクも馴染んできた最終選考に臨む彼女らに関して、SNSはほぼ荒れていない。応援メッセージにあふれている。荒れ放題でむしろそれを演出として番組に取り込んでいたテラスハウスとは対照的だ。

「こちら韓国でもテラスハウスの悲劇は報じられ、悲しみの涙を流しました。その反動とは言いませんけれど、コロナ禍もあって、心のデトックス、ボロボロ泣ける時に泣きたいという人がいて、その受け皿になっているのかもしれませんね」

週刊新潮WEB取材班

2020年6月25日掲載

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