セ・野手タイトルを大予想 巨人「岡本」は二冠王、広島「鈴木」は連続首位打者か

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、開幕は3カ月も遅れ、試合数は120試合制で行われる今季のプロ野球のペナントレース。チームの順位とともに注目を集めるのが個人タイトル争いだが、4回にわたり誰が獲得するのか予想してみたい。今回はセ・リーグの野手編だ。予想するタイトルと昨年の受賞者、その成績は以下のとおりである。

【2019年セ・リーグ野手タイトル一覧】
首位打者:鈴木誠也(広島) 打率.335
本塁打王:ソト(DeNA) 43本塁打
打点王:ソト(DeNA) 108打点
最高出塁率:鈴木誠也(広島) 出塁率.453
最多安打:大島洋平(中日) 174安打
盗塁王:近本光司(阪神) 36盗塁

 まず首位打者だが、大本命は今年も鈴木になりそうだ。レギュラーに定着した2016年から4年連続で打率3割をクリアしており、そのうち3年間で3割2分以上をマークしている。巨人に移籍した丸佳浩が抜けて、マークが厳しくなった昨年も見事に成績を上げてみせた。目立って苦手なコースがなく、ヒットゾーンの広さは群を抜いている。昨年は自身最多となる25盗塁をマークしており、17年に故障した右足首の状態が上向いているのもプラス材料だ。

 対抗の一番手は坂本勇人(巨人)になるだろう。過去5年間で打率3割以上は3回だが、うち2回が3割4分を超える高打率となっている。昨年は自身初となる40本塁打も記録した。ただ、気がかりなのがコンディション面だ。一昨年は脇腹を痛めて長期離脱し、昨年は5年ぶりに全試合フル出場したものの、守備の動きでは精彩を欠く場面が目立った。年齢を考えてもまだ伸び盛りの鈴木に分がありそうだ。また、鈴木は年々四球の数も増やしており、選球眼にも磨きがかかっている。その点を考えても最高出塁率でも大本命と言えるだろう。

 次にホームラン王だが、2年連続獲得中のソトがいるものの、それ以外にもタイトル獲得経験のある山田哲人(ヤクルト)、首位打者のところでも名前を挙げた鈴木と坂本、新外国人ながら驚異的な飛距離を見せているオースティン(DeNA)、昨年大ブレイクした村上宗隆(ヤクルト)など有力候補が多い印象だ。

 ただ、そんな中であえて一人を挙げるとすると、岡本和真(巨人)を推したい。レギュラー獲得2年目の昨年は“ジンクス”に少しはまりかけたが、それでも2年連続で30本塁打をクリアしたのは立派の一言につきる。今年のここまでのオープン戦、練習試合を見ても、ホームランの打球にバリエーションがついてきたように見える。

 また、DeNAは筒香嘉智(レイズ)、広島はバティスタ、ヤクルトはバレンティンと中軸を打っていた打者が抜けたが、巨人は坂本、丸佳浩が健在で、マークが分散するという点も岡本にとって大きなプラスである。巨人の日本人選手では、02年の松井秀喜となるホームラン王のタイトル獲得に期待したい。また、過去2年間の打点の多さを考えると、ホームランの増加で、さらに打点数を伸ばすことは十分に考えられるため、自ずと打点王も岡本の可能性が高くなりそうだ。

 次に最多安打だが、長打力もあってマークも厳しくなる鈴木、坂本は歩かされるケースも増えてどうしても安打数が少なくなるため本命には推しづらい。四球が少なく、積極的に打ちにいってヒットを量産できる技術を持つ選手が候補となるが、そこで浮上してくるのが西川龍馬(広島)だ。

 昨年は惜しくも打率3割には届かなかったものの、チームで2位となる159安打をマーク。先日の練習試合でもワンバウンドのボールをヒットにするなど、そのバットコントロールは卓越したものがある。また、18年は361打席で27四球だったが、19年は585打席で32四球と、その積極性にも磨きがかかっている。打率を追わずにヒット数を稼ぐ姿勢を継続することができれば、昨年以上のヒット数を記録する可能性は高いだろう。

 最後に盗塁王だが、本命は過去5年間で3度、このタイトルを獲得している山田になるだろう。昨年もわずかに近本に及ばなかったが、リーグ2位となる33盗塁をマークしている。単純なスピードであれば近本の方が上だが、山田の武器は圧倒的な成功率の高さにある。昨年は日本記録となる38連続盗塁も記録しており、技術としての高さも目立つ。バレンティンが抜けて、チームとして機動力を使う必要が出てきたという点も追い風となりそうだ。

【2020年タイトル予想 セ・リーグ野手編】
首位打者:鈴木誠也(広島)
本塁打王:岡本和真(巨人)
打点王:岡本和真(巨人)
最高出塁率:鈴木誠也(広島)
最多安打:西川龍馬(広島)
盗塁王:山田哲人(ヤクルト)

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月23日掲載

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