平壌で反日を叫んだ尹美香と北朝鮮、文在寅の蜜月コネクション、脱北者が語る

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独断で北に追従する現政府

 その後、過去30年近くに亘って、北朝鮮は慰安婦問題において、挺対協と非常に緊密な関係を続けていたことは間違いない。今回、韓国で尹美香問題が勃発した後に、北朝鮮は対外宣伝媒体である「わが民族同士」を使用して、積極的に尹美香を擁護している。

 彼女への疑惑提起を“進歩勢力に対する保守勢力の攻勢”と指弾し、このような行為は、「保守一味の親日、反人権、反平和勢力の蠢動」と攻撃を浴びせた。

「わが民族同士」では放送でこう檄を飛ばしている。「共に南朝鮮(韓国)人民は、日本軍性奴隷被害者問題の解決のために活動してきた反日団体である『正義記憶連帯』の不正腐敗疑惑について、執拗に食い下がっている保守一味と最後まで『親日清算闘争』を続けろ!」。挺対協と北朝鮮のコネクションを疑わざるを得ない内容だ。

 98年に北朝鮮を脱出した私が、韓国に2002年から住んで1番衝撃的だったのは、「韓国では、北朝鮮を追従する勢力(左翼的団体)が信じられないほど多いものだった」ということ。左翼的団体か否かは北朝鮮と同じ内容のことを話すので、見分けがつきやすい。

 私たちがしばしば左派政府と認める金大中、廬武鉉時代には、それでも国民の顔色を見ながら北朝鮮と付き合ったものだ。が、今の韓国政府は国民を無視し、まずは独断で北朝鮮に追従する傾向にある。北朝鮮が韓国の「進歩勢力」と奉る人たちは、北朝鮮の武力挑発や暴言に声をあげられないばかりか、むしろ北朝鮮に有益なことに注力することになる。

 先日も、北朝鮮の金与正(キン・ヨジョン)が、対北ビラを散布する脱北者を処罰するよう韓国政府へ命令然とした声明を出した。すぐさま韓国政府は呼応して、脱北人権活動家たちの活動を規制する法律を作り、脱北民団体を告発していくという人権差別を行っている。

 北朝鮮にとって、尹美香夫婦はどこまでも頼もしい味方である。韓国内で慰安婦を盾として反日感情という大きな流れを作ってくれたのだから。その非常に重要な「味方」が不名誉な疑惑で窮地に追い込まれたから、北が擁護すべく動いたのは当然のことだろう。尹美香も自身には北朝鮮という大きな援軍がついているという自信を深めているに違いない。

 今、韓国の政権を握っている自称「民主化勢力」こそ一皮むけば、「でたらめ集団」に相違ない。日韓両国の未来を阻害する反日こそ売国。そして親日こそ愛国という事実を国民にも理解してほしい。必要な態度は、「反日」ではない「反北朝鮮」なのだ。

金自由(キム・チャユ)
カナダ在住の脱北韓国人。1998年に北朝鮮を脱出し、4年間に及ぶ中国での生活を経て、2002年に韓国に入国。2004年東国大学校入学、2004年芸能界デビュー。2011年に結婚し、2013年に家族と一緒にカナダへ移住した。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月23日掲載

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