ローソンの「無印良品」販売、ファミリーマートの失敗から学ぶ戦略は…

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二番煎じ、どう変化?

 そんなファミマは、6月15日より大阪の一部の店舗で、Tシャツや下着類の新たなPBブランドの扱いをスタートした。その名もずばり「Convenience Wear」(コンビニエンスウェア)。先の記者氏にいわせれば「まだ名は明かされていないが有名デザイナーが参画しているらしい」そう。衣料品のPBブランド構築に本腰を上げた格好で、いかにPBの“うま味”が大きいかが分かるというものだ。

「ローソンとしても、ファミマと同じ轍を踏みたくない思いでしょう。ファミマ取り扱い時代には行われていなかった、無印との『共同開発』を予定しているのもそのためです。共同の形であれば、ローソン店舗のことを考えた商品展開や値段設定が可能です。現状、実験店では12枚組のふきんやハンガー、台車など、コンビニではちょっと売れないような商品も扱われていますからね。もっとも、ファミマ時代にはなかった商品がローソンの店頭に並んでいるのも、陳列してみて何が売れるかを見極める、という狙いがあるのでしょう。現状では、ローソンはファミマの二番煎じなわけです。同じことをしていては失敗は目に見えているわけで、そんな打開策のひとつが『共同開発』です。今後、何を作るかは楽しみです」

 一方の無印には、再びコンビニ展開したいという切実な事情があるようだ。昨今の業績不振は報じられている通りだが、良品計画の関係者はこう明かす。

「かつては無印良品的な世界観でファンを獲得できていましたが、いまは価値観が多様化した時代。家具ひとつにしても“無印で統一”がおしゃれだった頃に比べ、いまはIKEAやニトリなど選択肢が色々ありますよね。近年、業績の伸びがなくなったのは、正直、ファミマとの提携がなくなったのも大きかったと思いますよ。なにせ一気に、およそ1万6000店舗の納入先を失ったわけですから。ローソンとの提携は願ったり叶ったりですよ。ファミマ時代に比べ『食品』に力を入れるつもりと聞いています。いったん購入したらしばらく買わない服や家具と違って、食料品にはリピーターがつきやすく、回転率もいいですからね」

 話題を呼んだ提携の行く末は――。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月22日掲載

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