小池都政の公約達成度をチェック! 「電柱ゼロの地中化」「築地テーマパーク」は今

国内 社会

  • ブックマーク

「三里塚闘争」

 有権者を裏切ったという意味ではこれらの公約より築地市場移転問題の方が罪深いかもしれない。

 16年秋に豊洲に移転予定だった計画。就任早々、小池都知事が延期にすると、17年、「築地は守る、豊洲は活かす」と語り、築地を「食のテーマパーク」として再開発すると言い出した。

 ところが、豊洲移転後の19年には築地に国際会議場などを作ると方針転換。いつの間にか「食のテーマパーク」構想は雲散霧消してしまったのだ。

 築地女将さん会の山口タイ会長は無念さを滲ませる。

「国際会議場なんてできたら築地に戻れない。築地を守る、と言った小池さんに騙されたと思っています」

 元東京都中央卸売市場次長で『築地と豊洲』(都政新報社)の著者・澤章氏は、

「単なる豊洲への引っ越しだったはずが、築地が移ることで日本の食文化が失われるという話に小池さんはすり替えたのです」

 と、指摘する。

「都議選前は移転反対派に耳触りの良いことを言いながら、選挙後にはあっさりと裏切ってしまう。小池さんは移転後、築地が三里塚闘争のようになることを恐れていました。そこに信念や戦略はなく、目の前の状況が自身に有利かどうかで物事を決めているに過ぎなかったのです」

 延期によってかかったコストは業者への補償など100億円以上。大山鳴動して……都民に残されたのは「徒労」の2文字だった。施策の政治家ではなく、政略家と呼ばれる所以である。

週刊新潮 2020年6月18日号掲載

特集「知事選でスポットライト依存症! 『小池百合子』女城主の『履歴書・請求書』」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。