具志堅用高氏がボクシングジムを閉鎖へ 元側近が語る「会長の芸能活動」と「妻の介入」

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 元WBA世界ライトフライ級王者の・具志堅用高(64)が会長を務める白井・具志堅スポーツジム(東京都杉並区)が、7月末をもって閉鎖すると発表された。日本人初の世界王者・白井義男と共に1995年に開設された名門ジムに、一体、何が起きたのか。

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「週刊新潮」では5月13日発売号で、具志堅ジムをめぐる“異変”について報じていた。元WBCフライ級王者・比嘉大吾をはじめとした所属選手たちが次々とジムを去り、さらには野木丈司トレーナー、そして元WBC王者でジム設立当初からいる友利正チーフトレーナーといった面々も、具志堅会長と袂を分かったという内容だった。

 友利氏は、具志堅会長の妻と女性マネージャーの“現場介入”が、問題の背景にあると証言する。

「あの2人と折り合いが良い人は、ジムには誰もいませんね。選手たちに対して『あれやっちゃだめ、これやっちゃだめ』と言ってくるんだ。さすがに練習内容には口を出さないけれど、減量中にお菓子を食べちゃだめとか、選手が自分のスポンサーを連れて来ると、ジムを通じて話せとか。間違ったことを言っているわけじゃないんだけど、とにかく頭ごなしに文句ばかり言うんです」

 具志堅夫人は10年ほど前から、女性マネは5年前から、それぞれこうした振る舞いをするようになったという。ジムを去った比嘉、野木氏とも、2人と関係は良くなかったと振り返る。

「彼女たちはボクシングに精通しているわけではないので、細かいことを選手に言ってはいけないんです。(比嘉)大吾も減量中、つまみ食いをしてガミガミ言われたと聞いています。本人だって食べちゃだめと分かっていて、カッカと気が立っている。苦しいのを分かっているトレーナーは、咎めたりせず、ちょっとだけポカリスエットを飲ませたりして、やる気を出させるわけです。そういうことがあの2人には分からないんですよね」

 こうした現場介入の一方、2人は事務所にお菓子を置き、選手の目を気にせず食べていたこともあった。見かねた友利氏が「試合前に事務所でお菓子は食べないでくれ」と注意したという。

突然「友利、辞めてくれないか」

 こうした些細なことの積み重ねが、選手やトレーナーたちの不信感を募らせていったという。「どうすれば選手たちの気持ちが掴めるか、もっと考えてほしかった」と友利氏は言う。彼女たちはもともとマスコミ対応やチケット関連、ファイトマネーの配分といった事務方を担当していた。なぜ現場介入するようになったのか。具志堅会長の“監督不行き届き”のせいもあったようだ。

「最終的には、あの2人に好きにやらせていた会長が悪いということになるよね。責任者なんだから。ただ、会長は外で仕事をしているから、なかなかジムを見られない事情はあった。ジムが上手くいっていた頃は、むしろ『選手は俺たちトレーナーに任せて、会長は外で稼いできてください』なんて思っていた。でも今となってはもう少し選手を見てくれていたら、とは思う。選手は会長がジムにいるだけで元気が出るものなんですよ。なんせ、世界チャンピオンなんですから」

 友利氏は4月下旬、突然、退職勧告され、ジムを辞めた。

「練習中にいきなり、ジムの隣のファミレスに会長と奥さんに呼ばれてね。『友利、悪いけど資金繰りが厳しくて、辞めてくれないか』って言われた。理由を聞いても何も言わない。たぶん、コロナの影響でジムの運営が苦しくなり、会長の仕事もキャンセルになったから、金がないんだと思う。ジムの運営は会長のタレント収入頼りの部分もあったからね。会長はまともに俺の顔を見られませんでしたよ。ジムができた当初から一緒にやってるし、同じ沖縄出身のチャンピオンだし、完全に友達でしたから……」

 そして友利氏の退職から2カ月足らずで、ジムが閉鎖されることになったわけだ。

「退職金をほしいといっても『お金がない』といって断られました。やっぱり資金不足なんですよね。後援者は200人いるし、会長の知名度を活かせばスポンサーだって見つけられると思うけれど、やる気がないんでしょう。テレビの世界のほうがよかったのかな。以前、あまりにジムから人が去っていくので『こんなんだったらジムを続ける意味がないのでは』と言ったことがあります。そしたら奥さん(具志堅夫人)は『そうよね』と言っていた。もともと長く続けるつもりはなかったんじゃないかな」

 ジム閉鎖は関係者にも直前まで知らされていなかった。いまだ移籍先が決まっていない選手もいるという。友利氏は具志堅会長への複雑な感情を吐露する。

「会長にはタレントとしての仕事は今後もあるかもしれませんがね。会長、テレビだと皆にいじられて楽しそうにしていますけれど、本当は口数が少ない人ですよ。会長が落ちぶれていく姿だけは見たくない。まあ、ジムを去ってから、話もしていないけれどね。俺はもう恨んでいない。本当は寂しいな、って思っているよ」

週刊新潮WEB取材班

2020年6月21日掲載

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