合理的なホリエモンの「東京改造計画」 食わず嫌いはもったいない!(KAZUYA)
堀江貴文氏の『東京改造計画』(幻冬舎)はなかなか面白かった。
東京都知事選が迫る中、出馬も噂される堀江氏ですが、東京をこうしたらいいという提言はどれも刺激が強く賛否両論わかれるものが多いでしょう。
堀江氏はやはり合理的です。東京はポテンシャルを活かしきれておらず、停滞をきたしていると指摘しています。
例として若洲ゴルフリンクスを挙げています。これは都営のゴルフ場でアクセス良好の上、値段も安いため予約が取れないそうです。堀江氏は会員権を100人限定で1人に付き1億円で売りさばく案を提案しています。金持ち優遇のように見えて、得られるキャッシュを別のサービスで都民に還元するという辺り、実に合理的で良い。100億円もあれば様々な事業を創り出すことができるでしょう。
その合理性故に反発を食うこともありますが、新型コロナという強制イベントによって、従来当たり前だと考えられていた価値観の変革が求められています。
中でもテレワークはコロナ禍で一気に普及しました。業種によっては不可能ですが、導入できる企業も多いでしょう。そして気づいたはずです。「あれ? 会社行かなくていいんじゃね?」と。通勤のために早起きする必要もないですし、満員電車に乗る必要もありません。
もちろん全てをというわけでなく、テレワークを導入して柔軟な仕事環境を作ることが大事です。堀江氏はウィズコロナ時代のキーワードとして、スピード、スマート、スモールの「3S」を挙げています。オンラインでできることはすべてオンラインでして、接触や移動をなくすという話です。
教育についてはオンライン授業を推進する案も書いています。授業は教え方が上手い人のものを配信し、ついていけない生徒のために現場の先生がチューター(個人指導の教師)としてサポートをするのです。そういう棲み分けはアリですし、授業の教師の負担が減ってブラックだと言われる待遇の改善にも繋がるのではないでしょうか。
提言は37あり、大麻解禁のように炎上覚悟と銘打たれた過激な主張から、都職員の9割テレワーク化、ネット選挙導入、果ては江戸城再建のような突飛なものまで幅広いです。
僕の動画でも『東京改造計画』について取り上げたところ、通常の動画より批判も多く寄せられました。頂いたコメントを見ると、内容に関するものより「堀江貴文という男を信用できない」という類のものが多かった印象です。本来は判断基準として「誰が言ったか」より「何を言ったか」が大事です。しかし内容で判断せずに人で判断されるとどうにもなりません。人間性が気に食わなくても、ぜひ内容で一度考えてみてもらえたら幸いです。
日本はかなり保守的な国ですが、やるときはやる国です。なにしろ明治維新のような世紀の大変革をやっちゃう民族なんですから、それに比べると今議論されているのは些細な変化でしょう。良いアイデアは既存の価値観にとらわれず採用していく姿勢が大事です。