「河井夫妻」逮捕、実刑と執行猶予で運命が分かれ“ビジネス・カップル”の終わり
1ケタ違った振込金額は二階幹事長主導か
「立件へ」と報じられてきた国会議員夫妻がついに塀の向こう側へ落ちた。国会閉会直後の6月18日、東京地検特捜部は、河井克行前法相(57)と妻の河井案里参院議員(46)を公職選挙法違反容疑(買収)で逮捕。憲政史上初の「国会議員夫婦同時逮捕」で今後、夫妻の運命はどんな風に変転していくのだろうか。
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コトの発端は、昨年の参院選に出馬した案里氏側に、と自民党本部から1億5000万円が振り込まれたことだった。司法担当記者に説明してもらうと、
「夫妻が代表を務める広島県下の支部には、党本部から1億5000万円が分割されて振り込まれていました。一方で、同時に出馬していた現職議員に対して支払われていたのは、その10分の1の1500万円。まぁ、1500万円という金額が特別低いかというとそうでもなく、1億5000万円が異常なんですよね」
事実、選挙には“予算”という名のルールが定められており、当時、広島県選管が参院選挙費用として認めていた上限は4700万余。1億5000万円の支給は過剰以外の何物でもない。
この点に関して、下村博文選挙対策委員長も、BS番組で大要をこう明かしていた。
《党本部からの振り込みということであれば、幹事長、あるいは総裁の判断ということになる》
《候補者に直接党本部が政治資金を含めて選挙活動費を振り込むのはあり得ない》
《(金額は)ちょっと想像を超えている。接戦で厳しいところには相場より上乗せすることもあるが、桁が違って驚いている》
広島が重点選挙区であったのなら、案里氏のみならず、その現職にも当然、同額が供与されてしかるべきだっただろう。案里氏は選挙前から幹事長の派閥である二階派に入会することが決まっていたので、下村氏の発言を踏まえれば、二階幹事長の腕力のなせる業ということになる。
そして、案里氏と彼女の選挙を実質的に取り仕切っていた克行氏は、地元でカネを配り始めたのだった。検察当局は「夫妻が配ったのは100人に2600万円ほど」と見ているようだ。
「県議を4期務めていた案里さんも、そして代議士7期目の克行さんも地元でカネを配ったことはほぼなかったので、『陣中見舞い』とかでポンと渡された人は一様にビックリしたようです。夫妻の評判はもともとそんなに良くはなく、仲の良い地元の政界関係者は少ないんですが、そんなの関係なしにバラ撒いていたんですね。カネを配ったことがないから配り方もわからず、だから相手側から話が漏れてしまった。そもそも、1億5000万円ももらって当惑していたのは河井夫妻でしょう。最高検はもちろん残りのカネの使い道について捜査はしていますが、贈収賄に絡む件ではないだけに、特に解明しないままでしょう。裏金でもありませんし、夫妻が合法的にプールしている状況だと思われます」
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