小池都知事の“恐怖政治”に都職員からの反発 粛清人事で降格、左遷…
フランス革命の時ほど苛烈でないにしても、彼女が都政で敷いたのは恐怖政治と言われても仕方あるまい。笑顔の陰で発動されていた粛清人事の数々がそれを証明している。
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まずは小池都知事の人事の特異性について、都政担当記者に話を聞こう。
「都庁職員の人事は総務局で素案が作られます。ただ、小池さんはその案にかなり手を入れることで知られ、人事発表の直前にならないと固まらないことも。局長級のみならず、部課長級でも、ピンポイントで指示を飛ばす。歴代都知事でもここまでする人はいません」
首長として熱心な仕事ぶり、ともいえるが、職員から不満の声が聞こえてくる。
都政専門紙の「都政新報」が今年1月、都職員223人にアンケートを行ったところ、小池都政1期目の点数は100点満点で平均46・4点。石原都政よりも厳しい評価だった。低評価の理由の一つに粛清人事への反発が挙げられている。
「小池さんは知事就任当初から都職員への不信感があったのは確かです」
とは、都議会関係者。
「最も象徴的だったのが、都議会自民党と近かった幹部職員の左遷。2018年に生活文化局の局長から外郭団体へと飛ばされたのです。他の幹部の働きかけで結果的に主税局長となりましたが、衝撃的でした」
小池氏の天敵に対しても、
「森喜朗さんの右腕だった人物を引きはがそうとしていました。都庁から五輪組織委員会に出向していた平山哲也役員室長に対し、知事サイドから17年に“出向から都庁に戻す”旨、指示があったのです。森会長が重用していただけに、小池知事の嫌がらせではないかと言われました」(同)
実際、森氏は著書『遺書』で、この件に関し、
〈私の手足をもぎ、(中略)会長を辞めることを期待しているのでしょう〉
と怒りを露わにしている。
帰らぬ人に…
結果、平山氏は都庁を退職し、組織委員会に残ることになるも、まもなく病に倒れ、帰らぬ人となった。
平山氏の妻を訪ねると、
「私からはもう何も……」
口を閉ざすばかりだった。
こうした粛清は最近も行われているとは、都庁職員。
「都の視察船を20億円で契約し批判を浴びた港湾局長は昨年、他部署へ降格。小池さんの意に反して、今年の都知事選の日程を早期に決めた選挙管理委員会の事務局長も彼女の逆鱗に触れ、局長級ポストから、外郭団体理事として派遣されてしまいました」
こうした措置を恐れて萎縮する幹部が多いという。
小池知事と行動を共にしながら、政策面で対立し、17年の都議選後、袂を分かった上田令子都議が言う。
「都議再選2期目となれば、本来、議場で後ろの席に移るはずが、私は新人と同列扱いで見せしめのように前の方に座らされました。小池さんが知事席から満足気に、微笑みながら議席を眺める姿にゾッとしました」
今はマスクで覆い隠されている、裏の顔が垣間見えた瞬間だった。