拳銃自殺「高1少年」に残された謎 不登校と父の死、難病…入手ルートは
潰瘍性大腸炎
Aが入学したのは主に不登校生徒が通う通信制のエンカレッジコース。通学は週3回である。4月6日の入学式には母親と共に参加したというが、それからほどなくした頃、またも苦難に見舞われるのだ。
「5月中旬にAくんの体調が悪くなり病院に行ったところ、27日に潰瘍性大腸炎と診断された。休校明けの6月1日は何とか登校したが、翌2日は潰瘍性大腸炎で休み。事件のあった8日も母親から、潰瘍性大腸炎の関係で学校に行くのが遅れます、という連絡が入っていました」(同)
安倍総理も患っている難病と診断されたことも、自殺と関係あるのだろうか。いずれにせよ、彼がなぜ拳銃自殺という方法を選んだのかは謎のままである。
「拳銃自殺は実は成功するのが難しい。それを1発で成し遂げたとなると、何らかの知識を持っていた可能性があります。また、使われた拳銃は、スミスアンドウェッソン社製で銀色、小型という情報から推測すると、M60というモデルではないかと思います。ステンレス製の38口径、5連発のリボルバー式です」
そう語るのは、銃器評論家の津田哲也氏。
「アメリカに行けばどこでも買えるようなメジャーな銃で、女性が護身用に持つことも多い。小型で持ち運びしやすいことから、日本の暴力団員にもよく愛用されており、国内での流通量は多い。ただ、普通の高校生がどうやって真正銃を入手できたのかはわかりません。ネットのダークウェブなどではM60に限らず買うことはできますが、安くとも100万円以上はします」
先の捜査関係者の話。
「拳銃の入手経路については、闇サイトだけではなく、あらゆる可能性を考えながら解明する。『父親がギリシャで入手して外交官の通関免除で持ち込み、家に保管されていたものだった』との未確認情報もある。また、自殺したとはいえ、拳銃所持は立派な犯罪。少年Aはいずれ被疑者死亡で書類送検されることになる」
事件があった日の夜、Aの母親に話を聞こうとすると、
「すいません。何も話せません」
消え入りそうな声だった。
[2/2ページ]