新事実! 「ダイヤモンド・プリンセス」はいまだ海の上で「新たな陽性者」 も

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下船許可が下りない

 別の客船に移ったものの、彼らは未だフィリピンのマニラ湾で停泊し続けているという。

「この船には他のクルーズ船を降ろされたスタッフも乗り合わせていて、全員で2千人以上になる。クルーズ船の乗務員はフィリピン国籍が多いため、まずマニラ湾を目指したのは分かるのですが、長い間、ロックダウンを続けてきたフィリピンでは乗務員に対する下船許可もなかなか下りません。そのせいで、同じように湾内での停泊を余儀なくされるクルーズ船はかなりの数にのぼります。ようやく数日前にフィリピン人のスタッフが下船に向けてPCR検査を受けたのですが、今度はそこで陽性者が出てしまった。以降は私たちもそれぞれの部屋に隔離され、食事の時以外はマスク着用を言い渡されています。実は、マレーシアに向かうはずだったダイヤモンド・プリンセスもマニラ湾に留め置かれたままになっているのです」(同)

 ダイヤモンド・プリンセスの運営会社の日本オフィスは、マレーシアに向けて出港したことは「事実」としながら、マニラ湾に停泊している理由については、

「恐れ入りますが、詳細は公表しておりません」

 と言うのみ。

 疫禍の序章を告げた豪華客船は、クルーズを再開させることなく、未だ“停泊”を余儀なくされている。

週刊新潮 2020年6月18日号掲載

特集「コロナという不条理」より

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