ジョージアから「連れ去られた人々」を追って――イラン・フーゼスターン紀行(4)

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 2019年3月、不思議な縁に導かれてイラン南西部フーゼスターン地方を訪れ、当地の豊かな歴史遺産を巡った。デズフールとスーサ(現シューシュ)を回って最後に訪れたのが、シューシュタルである。

シューシュタルを治めたジョージア武人

 シューシュタルは、筆者が専門とする近世、とりわけ17世紀では、フーゼスターン北部の要の都市であった。

 ムシャッシャイヤ(モシャッシャイヤーン)朝という独自の地域政権が成立しており、当初は同じシーア派の新興勢力であったサファヴィー帝国と抗争を繰り広げていたが、やがて後者が地域に覇権を確立すると、これに従属した。...

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