「大戸屋」従業員が株主提案のコロワイドに激怒 社員を「アホ」と呼ぶ問題発言の数々
6月5日、定食チェーン「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングスは、従業員からの意見表明があったことを発表した。同社の買収を目論む外食大手「コロワイド」の株主提案に対する反対表明という形をとってはいるものの、その実態はコロワイド社長、創業者の暴言に対する不信・恐怖・怒りだった。
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「コロワイド」という社名に聞き覚えはなくとも、「手作り居酒屋 甘太郎」や焼き肉チェーン「牛角」、「ステーキ宮」、「かっぱ寿司」、ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」……の運営会社と言えば、ピンとくる方も多いはずだ。
国内約2700店舗を展開し、業界4位の売上高2400億円(19年3月期)を誇る。同社はM&A、つまり買収に次ぐ買収で、ここまで成長した。そのコロワイドが次に白羽の矢を立てたのが、大戸屋なのだ。
コロワイドは大戸屋ホールディングス株の19・1%を握り、大戸屋の経営陣刷新を提案している。お家騒動も含むこれまでの経緯については、デイリー新潮「『コロワイド』の『大戸屋』買収計画 コロワイド社長の発言が大戸屋ファンを失望させた訳」(5月4日配信)に譲るが、コロワイドの野尻公平社長は、あくまでも大戸屋のフランチャイズ(FC)オーナーたちのことが心配で、子会社化すればセントラルキッチンで効率化できると主張している。
ところが、大戸屋グループで働く従業員有志(276名)からのコロワイドへの反対意見書、さらにFCオーナーの8割以上から個別に反対意見書が、大戸屋に寄せられているというのだ。業界通は言う。
「そもそも、お客様においしいご飯をお届けすることをモットーとし、店内調理にこだわってきた大戸屋と、セントラルキッチンで下ごしらえしたものを店舗に配送して最終調理のみで客に出すコロワイドのやり方は、合うわけがありません。それに加え、コロワイド側の強引で、前時代的な言動に対し、大戸屋の従業員たちが反発しているんです」
今回の意見書の末尾には、これまでのコロワイド経営陣による大戸屋への暴言などが抜粋して掲載してある。
「デイリー新潮でも触れていましたが、テレビ出演で見せた野尻社長の物言いというのは、どうしても横柄に見えます。それに加えて、《店内調理に関しても、大戸屋側は「調理方法は最高機密だ」などといっているが、アルバイトや日雇いのスタッフに鍋をふらせておいて何が最高機密だというのか》(東洋経済オンライン)などと言ってみたり、相手の気持ちを逆なでする才に長けているようです」(同)
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