大人気の韓流ドラマ「愛の不時着」は、あの「冬のソナタ」ブームを超えるか?
財閥令嬢と中隊長の恋愛ドラマ
「愛の不時着」という韓国ドラマが大変な話題になっている。「タイトルだけなら聞いたことがある」という人を合わせれば、相当な数に上るだろう。社会的現象となったことを証明するかのように、日刊スポーツ(電子版)は5月30日、特集記事「巣ごもり著名人もハマる…韓国ドラマ『愛の不時着』」を掲載した。
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記事は、《長引く外出自粛で在宅時間が増える中、注目を集めている作品》と位置づけ、《芸能界、スポーツ界など男女問わず多くの著名人が「ハマっている」と公言》したと紹介している。
まずは、あらすじをご紹介しよう。ヒロインは韓国の財閥令嬢。衣料の新製品をテストしようとパラグライダーで飛行するのだが、竜巻に巻き込まれ、軍事境界線を越えてしまう。
北朝鮮の国内に不時着すると、北朝鮮軍の精悍な中隊長に出遭う。中隊長は周囲に嘘をつき、ヒロインを農村に匿う。次第に2人は恋に落ちていく……。
作品について取材した記者が言う。
「『愛の不時着』は韓国のケーブルテレビで、昨年の12月から今年の2月まで放送されました。地上波では難しいとも言われた企画を、劇場映画と変わらぬビジュアルで展開。最終回の視聴率は20%を超える人気作品になりました」
日本では今年2月からNetflixが配信を開始。韓国での人気を知っていた日本人ファンが一斉に視聴したため、たちまち再生回数の上位にランクインした。
「ランキングを見た一般の視聴者が関心を持って再生し、更にファン層が広がってブームが起きました。芸能人では黒柳徹子(86)、テリー伊藤(70)、河北麻友子(28)といった面々がファンを公言しており、日本では『2003年からNHKのBS2で放送された「冬のソナタ」を超える人気作品になるのではないか』との期待も高まっています」
韓国の事情に詳しいライターの児玉愛子さんは、「主人公の男女2人が、恋に落ちていくプロセスを丁寧に描いたことが、韓国と日本の視聴者を夢中にさせました」と指摘する。
「南北に分断された半島で、その両国に住む男女の許されざる恋。その魅力を“現代版ロミオとジュリエット”と解説する識者も多いですね。私はスマートフォンが使えないという設定も魅力に付け加えたいです。ご存知の通り、携帯電話やスマホの登場で、いつでも男と女は連絡が取れるようになり、恋愛ドラマはありきたりになりました。ところが北朝鮮で匿われているヒロインは、スマホを使うことができません。昔ながらの恋愛ドラマを展開させるには、ぴったりの国なのです」
財閥令嬢の「ユン・セリ」を演じるのは、ソン・イェジン(38)。日本では2005年の映画「私の頭の中の消しゴム」[ギャガ:イ・ジェハン監督]の主演女優として知られている。
北朝鮮の将校「リ・ジョンヒョク」はヒョンビン(37)。やはり日本で18年に公開された主演映画「コンフィデンシャル/共助」[ツイン:キム・ソンフン監督]は韓国で観客動員700万人を超えるヒット作になった。ちなみに、この映画でも北朝鮮の刑事を演じている。
児玉さんは「この2人が主演を務めると発表された時点で、韓国でのヒットは約束されていました」と語る。
「ソン・イェジンもヒョンビンも、単なる人気スターというだけでなく、どちらも演技力を高く評価されている実力派です。またヒョンビンは徴兵で軍務に就く際、最も苛酷な海兵隊を自ら志願し、実際に配属されたため国民から尊敬を集めました。おまけに、この2人は熱愛説が報じられてきたんです。そんな2人が直球の恋愛ドラマで共演したのですから、話題を集めないはずがありません」
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