「ママ友LINE」を覗いたら…子どもは「スマホ廃人」夫は「妻依存症」 休校で家庭は爆発寸前!
生きるってなんだろう
さて、ネット廃人になったかと思った息子たちだが、休校から1カ月ほど過ぎた4月半ばになると、違う動きが見られるようになった。
〈なんか、うちの子、ひたすら筋トレやってるよ〉
〈うちは、料理を始めた〉
〈いいなぁ~。うちは、何にもしてないよ〉
ゲームを楽しんでいるように見えて、その実、一日中、無為に時間を過ごすことはある種、ストレスだったのだ。
そんななかでも女性の次男は相変わらず、スマホゲーム三昧だったが、4月後半になると、オンライン授業が本格化した。オンラインでの課題配信が始まり、答えを提出しなければならなくなり、午前も午後も、パソコンの画面に向かうようになった。
「学校から朝の始業時間にログインするように連絡が来ているので、間に合うように、息子を起こして、朝食を食べさせてと気を使うので、疲れますね。長男の大学もオンライン授業をやっているので、昼食は授業の合間に出さないといけなくて、いつでも自由に買い物に行くことも叶わなくなりました」
次男の様子を見ていると、オンラインで新しい学習内容に取り組まないといけないため、理解できない部分が積み重なっているように思える。苦しいのではと、心配になる。しかし……。
「内容がわからないなどとは、私には絶対に言いません。“課題をやらなくていいの?”と聞いても、“これは、出さなくていいやつ”とか、はぐらかされるので、何をやっているのか、わかりません。学校がチェックしているのかも、不明だし」
家族が全員いるというのに、家の中は無音だ。
「夫はリビングでパソコンかテレビ、長男は部屋でパソコン、次男も部屋でゲームかパソコン。誰も何も話さない。息子たちは、耳にイヤホンをつけたままだし」
息子が母に話しかけるのは、1日2回、「今日のお昼ご飯、何?」と「今日の晩ご飯、何?」だけ。「何がいい?」と聞き返すと、「何でもいい」。
「これが娘だと違うみたい。朝からしゃべりっぱなしで、頭が痛いって。でも、一緒にお菓子を作ったり、親子で楽しんでるようでうらやましい」
こんな母・息子関係にちょっとした変化が起きたのは、志村けんさんが亡くなったことがきっかけだった。
〈息子と真面目に話せたよ。生きることって、なんだろうって〉
〈子どもと話せた、いい時間だったよ〉
〈人って、突然、亡くなるんだねって、息子。ショックだったって〉
〈みんなが知っている人だから、話せたんだね〉
〈うちも、自分たちができることってなんだろうって、親子で話したよ〉
女性は改めて思う。
「普段は面と向かって息子と話すなんて、あり得ない。今は時間があるから、ぼそぼそだけど、生きることって大事なんだねとか、息子と話ができたんだと思う」
先日、誕生日だったというママ友の一人から、うれしい報告もあった。
〈家族全員が揃って、誕生日のお祝いをしてくれた! こんなの、何年ぶり? 3食作るの、苦痛だったけど、今、すごい幸せ!〉
こんな話を聞くと、やっぱり家族の大切さを思う。
「家族みんなで食事を食べるって、いいなって思える時もあります。みんな、無事で、元気だし。ストレスを感じたり、イライラするのも、息子たちが大好きだから。夫にもおそらく好きという気持ちがまだあるからなのでしょうね」
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