数千万円の最先端医療! 「京アニ放火殺人犯」を生き長らえさせる意味
京都市内の病院に入院中だった青葉容疑者が逮捕されたのは、先月27日の朝だった。
「昨年7月18日の事件当日について青葉容疑者は、『ガソリンをまいて火をつけたら右腕に引火したので外に出た』と供述しています。逮捕状執行時に告げられて初めて36人が亡くなった事実を知ったといい、『犠牲者は2人ぐらいだと思った』とも話しています」(社会部記者)
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身柄を伏見署に移され、生々しい火傷の痕が残る姿でカメラの放列に虚ろな眼差しを向けていた青葉容疑者は、
「犯行直後はまず京都市内の病院に搬送されたのですが、火傷が全身の9割近くに及び、表皮、真皮、さらに脂肪組織にまで達する最も重い『Ⅲ度』の状態だったため、2日後には医療設備の整った大阪の近大病院にドクターヘリで運ばれていきました。近大病院で自らの焼け残った皮膚を培養して移植する手術を5回にわたって受けたのち、昨年11月には容態が回復したとして元の病院に戻っていたのです」(同)
現在も寝たきりの状態が続き、食事や排泄には介助が不可欠。車いすには座れるものの、同じ姿勢を長くは保てないという。
日本熱傷学会代表理事の櫻井裕之医師が言う。
「Ⅲ度熱傷であれば、一定の厚みを持つ皮膚がすべての層で傷害され、手足の関節を動かせなくなることも十分考えられます。また(青葉容疑者には)正常皮膚が残っている部位が限られているので、伸展性のある皮膚を作り直すのは非常に難しいと思われます」
培養皮膚移植については、
「テレビ映像で見る限り、毛髪が生えていたので、頭皮はⅢ度熱傷を免れたのでしょう。あるいはそこから薄く皮膚を採って植皮術を繰り返したり、培養表皮を作成するなどしたのではないでしょうか」
としながら、
「重症熱傷の集中治療をする場合には、費用が1カ月で1千万円をゆうに超えるケースもあります」
実際に青葉は近大病院で、皮膚移植はもちろん、危険な状態を脱した昨年9月以降も、もっぱら集中治療室でリハビリや治療を続けてきた。
厚労省が定めた当時の診療報酬から換算すると、青葉容疑者のように広範囲に熱傷を負った重篤患者が集中治療室に入ると、「管理料」として最初の1週間は1日あたり13万円以上の費用がかかり、8日目からは1日12万円余り。さらに、国内で唯一、厚労省から認可されている医療機関向け培養表皮製造業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」社によれば、細胞を採取して培養するのに446万円、また10センチ×8センチの培養表皮を移植するのに15万4千円が必要であり、目安として培養表皮1枚で成人男性の体表面積の0・5%をカバーするというから、青葉容疑者のトータルの治療費は、実に数千万円に上るとみられる。が、
「青葉は事件前から生活保護を受けており、治療費は原則無料。通常、生活保護費の支給は国が4分の3で、居住する自治体、青葉の場合だと政令市のさいたま市が4分の1を負担し、そのままの比率で医療費も負担することになります」(捜査関係者)
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