コロナ禍だから行かずに済ませる「フランスのバスク」で食べ飲み歩きガイド
郷土らしさを堪能できる料理
そして最もバスクらしさを感じられるモノと言えば食べ物。“郷土性”がしっかりと残っているからこそ食べる楽しみが尽きません。絶滅寸前だったバスク豚を復活させた日本でも有名なピエール・オテイザなど美味しい生ハムやサラミといった豚肉加工品を扱っているところがわんさかあります。バスク名物の1つである生ハムは、食前の軽いつまみのつもりが一口食べたらブレーキ故障の恐れあり。要注意です。
ピエール・オテイザのあるAldudes(アルデュード)のすぐ近く、スペインと国境を接するBanca(バンカ)というところは清流で養殖するマスで有名です。現地の人は「マスは他のエリアでも養殖しているけどバンカのマスが一番だ」と言います。フランス人はどこに行ってもみな地元が一番だと言うものですが ここは彼らを信じて食べてみるといいと思います。もちろんバンカまで行かずとも食べられる店は多い。
バスクならではの郷土料理もたくさんあります。ただバスチーはフランス側にはありません。これはサン・セバスチャンで食べてください。フランス側だとピペラードやガトー・バスクは説明いらないくらい有名ですかね。挽肉の煮込みAxoa(アショア)はワインが止まらない。仔牛肉で作るのがポピュラーですが他の肉を使ったアショアもあります。バスクの観光ガイドに間違いなく出てくる名物のピモン・デスプレットが美味しさの決め手です。
湯剥きした赤ピーマンにバンカのマスのムースを詰めたPiquillo(ピキオ)も食べてもらいたい。ブイヨンで炊いて冷製仕立てになっていますがイルレギの白ワインと抜群の相性です。そこまで有名でないものですがトウモロコシの粉で作ったクレープのような生地のTaloa(タロア)もチャンスがあれば是非。これにバスクのハム類を挟んで食べるのですが美味しいですよ。
それとバスクはBrebis(ブルビ)という羊乳製のチーズも有名です。これまたバスク名物のイッツァスのサクランボのジャムと一緒に食べると止まりません。チーズ農家の看板を見つけたのなら訪問してみるのもいいと思いますよ。試食させてもらってその場で買って。ついつい買い過ぎ間違いなし。
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