御年68歳、プロレス界のレジェンド「長州力」がバラエティで大人気のワケ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

テレビにCMに……

 長州力(68)が絶好調だ。今年に入ってから、公式サイトに掲載された「ニュース」をご紹介しよう。

 ***

 まず3月13日だが、「富士通パソコンFMV LIFEBOOK UHシリーズのPR動画『FMV大学青春白書』に出演」と告知した。

 検索エンジンで調べると、PR動画は簡単に見つかる。長州力が街を歩いていると、野球のボールが猛スピードで飛んでくる。まともに頭部を直撃するが、長州力は頑丈だ。ボールのほうが粉々に砕けてしまう。

 すると「現役大学生100人中99人が『頑丈そうだ』と答えたパソコン」として、FMV LIFEBOOK UHシリーズが紹介されるのだ。

 他にもテレビ番組の出演を中心に一部をご紹介しよう。

◆BSフジ開局20周年記念特別番組「お笑い成人式! 実力派芸人たちの一夜限りの漫才フェスティバル!!」に審査員として出演(3月21日放送・BSフジ)

◆「相席食堂」(ABCテレビ・火・23:17)で3月21日と4月14日に出演(註:3月21日には再放送の表記)

◆長州力YouTubeチャンネル「リキチャンネル 井長州力」がスタート(3月20日)

◆「有吉反省会」(日本テレビ系列・土・23:30)に出演(4月4日放送)

◆「次課・長州の力旅」(BSフジ・土・18:00)に出演(4月11日、18日放送)

◆著書『いまどうしてる?』(ワニブックス)が5月2日に発売

◆森永乳業Miloha(ミロハ)のCMに出演(4月23日)

 テレビは冠番組を持ち、著作を上梓。そしてCM出演だ。公式YouTubeのタイトルは「#(ハッシュタグ)」を、漢字の「井」と間違えたことが由来で、これも話題になった。

 まさに売れっ子の名にふさわしいだろう。現役時代から圧倒的な人気を誇っていたとはいえ、昔はこれほどバラエティ番組に出演することはなかった。「最近になって大ブレイク」という印象を持つ人もいるはずだ。

「改めて注目が集まった理由の1つに、長州さんが昨年の12月、公式ツイッターを開設したことが挙げられます。率直に言って、ツイッターの使い方をそれほど理解しておられなかったようで、天然ボケのツイートを連発。それがフジテレビ系列の『バイキング』(平日・11:55)でも取り上げられるなど、話題を呼んだのです」(取材した記者)

 長州力のツイッターについて取り上げた記事を2本紹介しよう。まずは専門サイト「プロレスTODAY」が2019年12月27日に配信したもので、タイトルは以下の通りだ。

「長州力がTwitterを開設で話題に!『長い文章は書けないのか?こいつは不便ですね!』『源ちゃんいますか?』フォロワーも急増!」

 記事の書き出しは《長州力が12月25日にTwitterを開設し、そのツイート内容が話題となっている》というものだ。

《初めてのツイートが「いまどうしてる?」と誰に問いかけているのか不明な内容で、26日には「なんだ、長い文章は書けないのか?こいつは不便ですね!」というツイートには「長州さん、長文は書けないことに対してキレてますか?」「(字数制限を)またぐなよ」「Twitter社に噛みつくなら今です」などセンス抜群な多くのコメントが寄せられている》

《また、「一日の出来事を短く書き込むのは無理がありますね!ところで源ちゃんいますか?」というツイートにファンより天龍プロジェクトのアカウントはこちらと教えられると「どうもありがとう!電話してみます!!」と返信》

タレントとしては馬場と猪木の後継者!?

 2本目はスポニチアネックスが今年5月6日に配信した「坂上忍『僕も知らなかった』 ツイッター“公式マーク”削除を依頼した長州力に理解」だ。

《俳優の坂上忍(52)が6日、司会を務めるフジテレビ「バイキング」(月~金曜前11・55)で、ツイッターの運営会社に「公式マーク」の削除を依頼した元プロレスラーの長州力(68)に同情した》

《番組では、「コロナ疲れも吹き飛ぶ!?」として長州が始めたツイッターのおもしろさを紹介。一例として、4月22日の投稿をあげた。長州は「俺のTwitterの名前の横に、何か?失格マークのような青いものが付いてますが?なんなの?家内も!消せないので消してくれる?頼みますよ!!」と、「公式マーク」を意味する“青い模様”の意味を知らない様子だった》

《長州は、公式マークだと分かった後も「こういうものに縛られたくない」と再度、削除依頼を投稿している》

 民放キー局で番組制作に携わるスタッフも「プロレス界を広く見渡しても、今、バラエティ番組に最も人気があるのは断トツで長州さんでしょう」と絶賛する。

「率直に言って、長州さんはイジり甲斐があって、バラエティタレントとして抜群の面白さをお持ちです。ツッコミどころが満載なので、何をやってもらっても視聴者が笑い転げるシーンが撮影できるでしょう。何より現役のプロレスラーだった時は、強烈なカリスマ性で多くのファンを魅了しました。その時と今のギャップが面白いんですね」

 このスタッフ氏によると、バラエティ番組では一昔前、「ボクサー枠」が存在したという。

「お笑いだけでなく演技も抜群のガッツ石松さん(70)、輪島功一さん(77)、具志堅用高さん(64)といった方々が代表格でしょう。具志堅さんは今でもクイズ番組のスタッフに人気が高いですね。『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系列・2005~2011年)で“おバカ”という天然キャラが人気となったことがありましたが、彼も出演していました」

 一方、プロレスラーのテレビ出演は、やはりジャイアント馬場(1938~1999)とアントニオ猪木(77)が嚆矢だという。

「お二人がプロレス界に君臨したことは言うまでもありませんが、共にコミカルな要素を視聴者に愛されたという共通点があります。そして共演タレントにイジられても、怒ることも嫌がられることもなく、一緒になって楽しんでくれました」(同・スタッフ氏)

 ジャイアント馬場の場合は、ビートたけし(73)にイジられたことで、バラエティタレントとしての才能を見出された。

「バラエティタレントとしては、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ系列・1988~1996年)の回答者で人気を博しました。準レギュラーと言って過言ではない出演回数を誇り、様々な珍回答で注目を集めたのは、今でも鮮明な記憶を持っている人が多いでしょう。プロレスファンだけでなく、広くお茶の間の人気者になったんですね」(同)

 猪木も負けていない。「闘魂ビンタ」や「猪木ポエム」、「元気ですかー!」の掛け声など、ご本人は当然ながら本気だ。とはいえ、時と場合によっては、サービス精神で視聴者を楽しませようとしている気配も感じられる。

「お二人に比べると、他のレスラーは引退組も現役組もカリスマ性では劣りますが、最近は芸達者な人も多いです。高田延彦さん(58)や蝶野正洋さん(56)なんかはMCもきっちりとこなします。現役レスラーの真壁刀義さん(47)は業界屈指のスイーツ男子として知られています。滑舌があまりに悪い天龍源一郎さん(70)もバラエティ番組の常連ですね」(同)

 今のレスラーはスポーツ一本槍で常識に欠ける「天然キャラ」を売りにするのではなく、多種多様なニーズにしっかりと応えるテレビタレントとして活躍しているというわけだ。しかしながら長州力は器用な「テレビタレント組」には入らないという。

「現役組、引退組のレスラーを見渡しても、テレビの出演者としては長州さんが一番、馬場さんや猪木さんのスタンスに近いと思います。馬場さんや猪木さん、そして長州さんは、どこかゆるキャラのような魅力がある。例えば、髪型とか表情が非常に特徴的です。あと何より、ご本人のサービス精神が旺盛ですね。バラエティ番組で長州さんの姿を見ることは、今後もますます増えていくのではないでしょうか」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年6月11日掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。