専門家会議もモヤモヤした「新しい生活様式」 委員メンバー「2メートル空ける必要なし」

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 小池百合子都知事が目下順守を訴えているのが「新しい日常」だ。具体的には、人との距離を2メートル空け、食事は横並びで行う、などの項目が存在する。しかしながら、これを真面目に実践しようとすれば、窮屈で困難な生活を強いられることは間違いない。テレビでコメントする専門家たちはどう見ているのか。

東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は、

「いまは電車もひと席空けて座っている方が多いですが、会話がなくマスクをしているなら、隣に座っても問題ありません。マスクをしていれば、距離にこだわる必要はありません」

 と言い、日本医科大特任教授の北村義浩医師は、

「感染対策は接触感染と飛沫感染を防げればいい。新しい生活様式には“ジョギングは少人数で”など細かく例示されていますが、どれが接触感染を防ぎ、どれが飛沫感染を防ぐものなのか、わかりやすく明記したほうがよいと思います」

 という意見。白鴎大学の岡田晴恵教授も、

「きちんとしたマスクをちゃんとしていれば、2メートル空ける必要はないと思います。でも、マスクも性能の違いがあります。感染者の唾液中にはウイルスが多いので、2メートル空けてくださいと原則として、お願いしているということでしょうか」

 という返答で、英キングス・カレッジ・ロンドン教授でWHO事務局長上級顧問の渋谷健司氏もまた、

「緊急事態宣言の発令中は、一律にステイホームの政策がとられましたが、今後ウイルスと共生し、社会を回していくためには、個別対応が大切になります。たとえば、 小学校では必ずしも、常にマスクをしなくていいなど、状況や環境、リスクに合わせて対策をとっていく必要がある」

 と、一律の「生活様式」に必ずしも賛同しない。

 ちなみに「週刊新潮」編集部は、手洗いをこまめに行い、マスクをし、体調が悪ければ無理をせず外出を控え、換気を整えれば問題なかろう――と考える。やはりテレビの常連、国際医療福祉大大学院の松本哲哉教授は、

「間違ったことは言っていないと思います」

 と、お墨付きをくれた。

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