マーティ・フリードマン絶賛の老舗!「アメリカ人だけどうなぎに夢中なんだ」
好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第42回は、マーティ・フリードマンさん。今回は「うなぎ 浜松家」に伺いました!!
店先からこのにおいが流れてきたら、とうてい逃げられまい。ロック・ギタリストのマーティ・フリードマンさんも、その口だという。
「ご近所にある大久保の『浜松家』の前を通ると、いいにおいにつられちゃって、つい食べちゃうんだよね」
「浜松家」は1975年創業。実家は静岡県浜松市でうなぎ養殖を営んでいたというご主人が、いまも元気に切り盛りしている。マーティさんは、
「お店自体、小洒落てないというか、トレンディじゃないというか、変にカッコつけてないところがいいよね。昔ながらの雰囲気で、味に集中できるじゃん」
ご主人によれば、近年はもっぱら愛知県・一色産のうなぎを使用。ほどよく柔らかな仕上がりになるんだとか。
注文を受けてから10分で提供できるよう、職人の勘であらかじめ蒸しておきながら、絶妙なタイミングで焼き上げる。火にかざしてからは丸4分間、数秒おきに焼き色をチェックして、満遍なく火の上を動かしていく。たちこめるにおいに食欲は早くも我慢の限界。お重を抱えて、継ぎ足しのタレがしみ込んだご飯と一緒に頬張れば、至福の味が口の中に広がる。
「お店によっては、硬すぎたり、柔らかすぎてボロボロになったりするけど、ここは職人の腕で、本当にちょうどいい食感なんだよね」
そうマーティさんは太鼓判を押す。でも、アメリカ人はうなぎ苦手じゃないの?
「たしかに、うなぎとかタコは、食べるのではなく水族館で見るもの、という認識が普通かもね。でも、ぼくは初めて食べたときから夢中になったよ。まだ日本に住む前だけど、日本滞在中は“うなぎ食べたい!”って言いすぎて、スタッフに迷惑がられちゃったね。そのころは贅沢なものだとは知らなかったんだよ」
日常的に、とはいかずとも、ハレの日にはぜひ味わいたいものだ。