新型コロナで露呈した「明石家さんま」の弱点 やりにくいったらありゃしない!

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さんま殺すにゃ刃物はいらぬ

 番組を見た民放プロデューサーが語る。

「コロナでロケもできなくなりましたからね。当然、街頭インタビューもないわけです。そのため番組は、ひたすらさんまさんとゲストによるトークのみという形にならざるをえませんでした。以前は不要だと思っていたVTRですが、話題を仕切り直すのに役立っていたんだなあ、と改めて思いました。さらに、さんまさんのやりづらさが画面からにじみ出ていましたね。おかげで常勝の『さんま御殿』は新作にもかかわらず視聴率は二桁割れ。裏の『アメトーーーク!』(テレビ朝日)の“運動神経鈍い芸人”の再放送にも、16・5%と完敗していました」

 さんまといえば、どんな状況でも、何とかして笑いに持っていくが……。

「番組内でも、リモート撮影で生じるタイムラグを、ずいぶん気にしていました。若槻や薄幸に『大丈夫か?』と声をかけていましたから。やはり掛け合いのタイミングが上手く取れないことを恐れていたのだと思います。もっともさんまさんは、タイム“ログ”と言っていましたけど、幸い気になるようなタイムラグは感じられなかった。それでも、妙に間が悪く感じられたのは、スタジオゲストとリモートゲストがいたこと。若槻(モニター)もみちょぱ(スタジオ)もいるのに、盛り上がらない。さんまさんもモニターの中にいるゲストに対して話しにくそうでしたからね。さんまさんの目の前にあったアクリル板、あれは邪魔そうでしたし……」(同)

 怪獣も檻に入れられてはお手上げということか。では、リモート放送を得意にしているタレントはいるのだろうか。

「ヒロミさんが上手いですね。『東大王』(TBS)はリモート生放送になっていますが、在宅を強いられる東大生に対しする言葉が的確で優しい。モニターに対してきつい言葉で接すると、どういうわけかそれを見ている視聴者にも印象が良くありません。かつてのヒロミさんだったら、東大生に対し、皮肉ったり、揶揄したりする姿が浮かぶのですが、見事に素人を立ててあげている。さらに生放送で、時間配分も完璧です。他には、『ヒルナンデス!』(日本テレビ)のナンチャン(南原清隆)や『今夜くらべてみました』(同前)の後藤輝基さん、ウッチャン(内村光良)も得意な感じですね。またリモートする側としては、バイきんぐの小峠英二がタイミングをずらさないことから注目されています」(同)

 逆にリモート苦手なMCは?

「『笑点』(日テレ)の昇太師匠……と言ったら可哀想ですけどね。元々、リモートでやるような芸ではないし、彼は職業司会者でもないですから。くりぃむしちゅーの上田晋也さんもリモートになってから、なんだか覇気がない。さんまさん同様、トークの中にちょいちょい、アドリブでツッコむタイプの芸人さんには、リモートは間が取りにくいのかもしれません。相手のリアクションも生とは変わってきますからね。でもやっぱり、ダントツでさんまさんでしょうね。」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年6月6日掲載

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