ゴーン逃亡で大金を手にした「グリーンベレー」逮捕 専門家「実刑にすらならない可能性も」

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実刑は五分五分

 成功報酬は明らかになっていないが、航空機を運航したトルコ人らには約3千万円が支払われた。テイラー親子は、少なくともそれ以上の額を受け取ったとみるのが自然である。

 いやしかし、結果的に御用となれば異国で牢に繋がれることは免れまい。日米は犯罪人の引き渡し条約を締結しており、今回の逮捕も日本政府が強く要請を行った末に実現したという。

「日本側の逮捕状や証拠資料によって、この親子の容疑は明らかです。早ければ1カ月以内には、日本に引き渡されるでしょう」

 と話すのは、元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏だ。

「犯人隠避と入管法違反で起訴され、有罪判決が下れば最長4年半の懲役刑を言い渡すことは可能です。ただし、世間を騒がせた事件を企てた実行犯であっても人に直接的な危害を加えたわけではなく、初犯であることを考慮されれば実刑判決とならない可能性もある。いずれにしてもゴーン被告の公判が開かれていない状況ですから、裁判が始まってみないと分かりませんが、実刑となるかは五分五分といったところでは」

 刑務所にぶち込まれたとしてもたかだか4年と聞くと、ずいぶん短い印象を受ける。おまけに執行猶予がつくとなると、元グリーンベレーにしてみれば濡れ手で粟。これでは世論も納得しまい。

 その上、引き渡しに応じないレバノン政府に護られたゴーン被告を、今後も逮捕できないとなると……。やはり日本の面子は丸潰れか。

週刊新潮 2020年6月4日号掲載

ワイド特集「新しい日常」より

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