“国会より麻雀”だった「黒川弘務」前検事長 雀卓での素顔

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片尻上げて…

 釣りでも囲碁・将棋でも、趣味の作法には、その人の“人物”が自ずと出る。

 黒川氏のケースは、どうだったのか。

「極めて正統派の打ち方でしたよ」

 と言うのは、やはり麻雀仲間の知人である。

「特に守り重視。相手の気配をよく観察していて、こちらの待ちをずばりと指摘されてドキッとしたことは何度もあります。それで、危ないと思ったときは守備に徹する。もちろん、ここが勝負所と踏んだら、厳しいところをビシバシ通していきますが」

 なぜ今回の事態では“守備に徹”して家で大人しく過ごしていられなかったのか。フシギである。

 他方で、政権幹部の寵愛を受けた「座持ちの良さ」は雀卓でも発揮されていたようで、

「麻雀で負けがこむと不機嫌になる人はよくいますが、黒川さんにそれはなかった。振り込んでも“やっぱこれは危なかったよなぁ”ってうなずくんです。そして、“さぁ次いこう!”となる。ツキがなければ負けるのが麻雀。でも、黒川さんはいくら負けがこんでも黙り込むようなことはありませんでした。“今日は○○ちゃんの日だったなぁ。じゃあ、また来週な!”って。彼は酒が弱くて、飲まないんですが、タバコをプカプカ吸って陽気でした。途中で片尻上げて“ブッ”と平気でおならもしていましたし」(同)

 黒川氏が、麻雀となれば我をも忘れることは、周辺では誰もが耳にしていた。となれば、取材対象に食い込むことで飯を食う「記者」がそこに活路を見出すのは、ある意味、自然な流れ。とりわけ熱心だったのが産経、朝日の両紙であったというワケなのだ。

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