阪神「藤浪晋太郎」遅刻で無期限2軍降格、“その処分は意味ナシ”と指摘する声

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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が5月29日、遅刻を理由に2軍降格となった。3月26日に、“球界第1号”という嬉しくない形で新型コロナウイルス感染が判明。決して褒められない会食に参加したうえでの感染だけに「軽率だった」と反省の弁を述べていた。野球で失地回復を期していたところに再びの“ガッカリ”事案。昨年未勝利の右腕の無期限2軍行きが決まったが、評論家からは、「その処分は間違い」といった指摘の声があがっている。

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 阪神の矢野監督は今回の処分について、こう明かしたという。

「練習に遅刻してきたんで、昨日。新たにみんな頑張ろうという中で練習に遅れてくるというのはこっちとしてもすごく残念やし、全体の信頼を失うようなことだった。ここ(1軍)にいてみんな同じ気持ちでやっていくのが難しいという判断。人なんでミスもあるけど、これが初めてじゃないので」

「初めてじゃないので」の言葉がなんとも痛く響くのだ。
 藤浪はコロナ禍の3月14日、大阪市内の知人宅での会食に参加。21日に「匂いを感じにくい」と自覚症状を訴え出た。そして26日、PCR検査を受けた結果、陽性判定。入院→自宅待機を経て4月24日に2軍自主練習に合流し、再起を誓っていた矢先だった。

 そもそも、7年目だった2019年シーズンは初の勝利ゼロ。それだけに期するものが大きかったはずだが、遅刻は空回りというよりは自己管理の甘さそのもの。矢野監督も堪忍袋の緒が切れた格好のようだ。

 これについて、阪神OBで評論家の江本孟紀氏はこんな評価をする。
「練習に遅れるとか門限に間に合わないとか無断外泊とか、そういった違反にたいするペナルティは、我々の時代、罰金でした。2軍に行かせるっていうのは正直どうなの? って感じがしますね。教育的指導の観点からそうするわけですが、果たして今どきその効果があるのか、疑問を感じますね」

「プロはカネを稼いでなんぼというかすべてはカネで評価される世界ですから、罰も罰金が適当だと思うんです。僕らの頃はたとえば1度やると3万円、2度目は6万円、さらに重なると10万円とどんどんあがっていって、これは結構キツいんですよ(笑)」
 
 真綿で首を締めるような苦しさに耐えかねて、自己管理を徹底することになるのだという。

 また、あるプロ野球関係者によると、
「藤浪はイップス、つまり精神的な原因により平常の動作に支障を来たす症状に罹患しているのではという指摘もあります。実はイチローも高校時代にイップスに苦しんだと明かしているんです。仮にイップスが事実だとして、この2軍落ちでさらにプレッシャーを感じるようなことになれば、見せしめ効果と本人の猛省を促そうという球団の狙いがお門違いということになりかねないですね」

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