コロナ禍で突如、再放送されたドラマを総まくり 急場をしのいだ「日テレ」と「テレ朝」

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アユドラマ「M」は成功か失敗か

 ならば、三浦翔平が主演の1人であることが共通するテレビ朝日の『M 愛すべき人がいて』と『奪い愛、冬』ではどうだろう。

「『M』は浜崎あゆみの自伝的ドラマとして前評判は高かった。しかし、スタートしてみれば、アユ役の安斉かれんの演技も、ドラマの内容も笑えるほど酷かった。それを逆手にとって“令和の大映ドラマ”などと銘打ったりしましたが、それでは大映に失礼です。オマケに3話で中断という中途半端なものになった挙げ句、三浦が演じるマサのモデル・松浦勝人氏に大麻疑惑まで報じられてしまった。このまま中断の可能性もありますね。むしろ、『M』同様、水野美紀の怪演が光った『奪い愛、冬』のほうが数字を取るかもしれません」(同)

 では、上手くいった再放送とは?

「やはり『捜査一課長』は外せません。同じく、テレ朝の刑事ドラマ『特捜9』も旧シリーズとはいえ、まだ渡瀬恒彦さんが存命だった頃の旧シリーズ『警視庁捜査一課9係』を持ってきたのは良かったですね。次に『私の家政夫ナギサさん』(TBS)の代わりに“逃げ恥”こと『逃げるは恥だが役に立つ』の初回再放送は11・0%を記録しました。これはレギュラー放送(10・2%)よりも良い数字でした。新垣結衣と星野源のダンスは社会現象にもなりましたし、家政婦(夫)繋がりというのもムリがない。そして、13年ぶりの新シリーズと言うことで話題になった『ハケンの品格』(日本テレビ)。こちらも13年前の旧作の再放送で、2桁に迫る数字を上げています。また、同じ再放送でも土日の昼に放送された『JIN―仁―』(TBS)も、ドラマ自体の評価はもちろん、綾瀬はるかという超目玉のおかげで高視聴率を上げました。この辺りが成功例でしょう」(同)

 そして特筆すべきは……。

「やはりジャニーズの強さです。キムタクの『BG』はもちろんですが、松岡昌宏の『家政夫のミタゾノ』(テレ朝)も2話まで放送された新作は歴代最高の数字を上げていましたし、旧作の再放送となっても数字は落ちていません。また、『未満警察 ミッドナイトランナー』は中島健人(Sexy Zone)と平野紫耀(King & Prince)のW主演でしたが、代わりの再放送『野ブタ。をプロデュース』は亀梨和也(KAT-TUN)と山下智久(当時NEWS)のW主演。作品の共通点はジャニーズの2人ということだけですが、2桁をマークしています。さらに、フジの月9『スーツ/SUITS2』は2話まで放送した後、旧シリーズの放送から『コンフィデンスマンJP』(主演:長澤まさみ)、さらに『鍵のかかった部屋』(主演:大野智)へと繋ぎました。いずれも月9で放送されたものですが、今年いっぱいで芸能活動を休止する大野を持ってきたのはあざとくも上手い。『半沢直樹』が放送できない日曜劇場(TBS)は、『下町ロケット』『ノーサイド・ゲーム』と続けましたが、あまり数字は良くなかった。それで次に持ってきたのが松本潤の『99・9』ですし」(同)

 逆に失敗した再放送を挙げると、

「やはり『選TAXI』でしょうね。隠れた再放送の大コケと言えば、『テセウスの船』(TBS)です。5月11日~22日にかけて『テセウスの船ネタバレSP』が放送されていたのですが、視聴率は1~2%でした。夜11時56分スタートという時間帯でも、これは酷かった。レギュラー放送は今年1月期で、最終回は19・6%を記録したドラマですからね。とはいえ、最終回が放送されたのは3月22日のこと。最終回の謎解きにも不満の声が多かったし、何より再放送にはまだ早すぎました」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年5月28日掲載

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