「締め切りのある人生を生きて下さい」(古市憲寿)
歴史学者の佐藤卓己さんが教鞭を執る大学の卒業生に贈る言葉だという。佐藤さんとは1度しか会ったことがないのだが、折に触れてこのフレーズを思い出す。
人によって、締め切りとは嫌なものだろう。『〆切本』(左右社)という書籍では、文豪たちがどんな言い訳を使って締め切りと向き合ってきたか(どう破ってきたか)が紹介されている。
たとえば作家の高見順の日記はこんな具合だ。毎日、友人との食事や観劇には行っているのに、全く仕事が進まない。それで結局「どうしても書けぬ。...