“総理に中指”を鏡の前で研究… 朝日新聞“迷物”女性記者の自己陶酔コラム

国内 社会

  • ブックマーク

 かつて「ジャーナリスト宣言」なんてキャンペーンもあったが、いつの世も朝日新聞は“自己演出”に余念がない。直近では「ジェンダー平等宣言」を謳っているが、何のことかと紙面に目を凝らせばどうだろう。あの“迷物”女性記者が、己に酔って筆を握っているのだ。

 ***

 世のサラリーマン同士の日常会話において、忌み嫌われているセリフがある。「最近、忙しくて寝てない」「睡眠時間は3時間だった」などの類の自分語り。いわゆる「寝てない自慢」だ。

 この台詞を公衆の面前で、堂々ペンに託して吐露したのが、朝日新聞編集委員の高橋純子氏。4年前の政治部次長時代にも、彼女は〈だまってトイレをつまらせろ〉と題した安倍政権批判のコラムを書き、新聞記事として意味不明だと巷を騒がせた“前科”を持つ。

 で、4月22日付の朝刊コラム「多事奏論」は、こんな書き出しで始まった。

〈眠い。この3日間で5時間ほどしか寝ておらず、目下、片目ずつしか開けていられないという未体験ゾーンに突入している〉

 さすが夜討ち朝駆けが当たり前の記者ならば、多忙を極めているのかと思えばさにあらず。読み進めると、要は何もすることがなく、

〈原稿がまったく前に進まない〉

 と悩んでいるご様子で、その後も読者不在の独り語りは続く。コラムの中味はお決まりの安倍政権批判を感情的に繰り返すだけ。注目すべきは最後の締め括りの部分で、こう書いた。

〈ひとり鏡の前に立つ午前10時48分。カッコいい中指の立て方を、研究してみる。〉

 なんとか文脈を辿ってみれば、総理に対して中指を立てる研究をしている。そう読めるコラムなのだ。

“逆差別”

「本当に彼女が寝ていない状態なら、体調が心配になるレベルのコラムです」

 と話すのは、元「正論」編集長で現在は嘱託記者として産経新聞に時事コラムを連載中の桑原聡氏だ。

「人に中指を立てることは“ファック・ユー”というサインですから、海外ではタブー中のタブー。アメリカに行った経験がある人ならば強く感じると思いますが、冗談抜きで殺される可能性がある。その怖さがコラムを書いた高橋さんは分かっていないのでは。自分の気持ちを強く伝えたいからと、こういった表現を使ったのだとすれば、常軌を逸していると思います」

 そう指摘した上で、

「記者が弱者の立場に立って政権批判をするのなら、そこにはエビデンスが必要です。それを抜きに感情的な記事になれば無責任なブロガーの文章と同じ。朝日新聞は最近、男女平等を謳う宣言を出したそうですね。このコラムも筆者が女性だから、上司のストップがかからなかったのではと勘繰りたくもなります」

 遡ること4月1日、朝日新聞は「ジェンダー平等宣言」と題したキャンペーンを展開。旬の人物を紹介するコラム「ひと」欄をはじめ、記事で取り上げる取材先の男女比を平等にすること。管理職に占める女性の比率も倍増させていく旨を、社の内外にアピールしているのだ。

 評論家の古谷経衡氏は、

「イタズラに数値目標を出し、無理に女性の頭数を増やそうとするのは止めた方がいいと思います。女性活躍を印象づけようと高橋氏のような原稿を載せ続けるのなら“逆差別”になってしまう。読者は新聞に精度の高い記事を求めているのであって、女性比率の増加を求めているわけではない筈です」

 当の高橋氏本人に電話で見解を問うたところ、

「会社を通さず勝手に答えると怒られちゃうんですよね……。ゴメンなさいね」

 などと、あくまで“朝日人”であることを強調して回答を避けるのだが、最後にこんな話を披露する。

「批判も確かにありますが、読者の方からは温かいお手紙も史上最多で届き、おそらく両方の見方があるのかなと。読まれないより読まれた方がいいですから」

 この調子だと朝日の“迷走”は止まる気配がない。

週刊新潮 2020年5月21日号掲載

ワイド特集「マスクの下」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。