“慰安婦問題”利用のツケ… 李容洙さんと挺対協の告発トラブル

国際 韓国・北朝鮮

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 新型コロナウイルスについて、今月10日の演説で「世界をリードした」と胸を張った韓国の文在寅大統領。その足元で火を噴き始めたのが“慰安婦”の問題である。

 今月7日、91歳の元慰安婦・李容洙さんが記者たちを前に、韓国の慰安婦政策を公然と批判したのだ。

「彼女は、慰安婦運動の象徴ともいえるソウル日本大使館前での“水曜集会”について〈憎悪と傷ばかり教え込んだ〉と廃止を主張。さらに、慰安婦運動を牽引してきた“挺対協”こと正義記憶連帯に〈騙され、利用されてきた〉と訴え、支援金の使い道にも疑義を呈しました」(韓国特派員)

 韓国社会に激震が走ったのは当然のこと。なにしろ、

「李さんは、先月の総選挙で国会議員になった正義記憶連帯の前代表・尹美香氏(55)の盟友。1992年から一緒に活動を始め、2017年にトランプ米大統領が訪韓した際には、彼に抱きついたことでも話題になった。そんな彼女が涙ながらに、日韓合意による10億円の慰安婦基金についても“存在を知らされていなかった”と告発したのですから」

 この急襲に、最も驚いたのは尹氏であろう。

「李さんの会見の翌日、尹氏も反論を試みましたが、“李さんの記憶は歪曲されている”と、まるで認知症のような扱い。尹氏が証拠として示した李さんの領収書は大昔のものばかりで、8日には、全国に50余りある慰安婦団体が尹氏の辞任を求める声明を出すに至ったのです」

 関係がこじれた原因は金銭トラブルだけではない。

「李さん自身、12年の総選挙に出馬したことがあるのですが、結果は落選。お金の問題だけでなく、尹氏に対する妬みもあったのではないかと言われています。さらに、告発の背後には、正義記憶連帯に反発する“アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会”という団体の存在があったとも」

 元慰安婦たちを政争の具にしたツケである。

週刊新潮 2020年5月21日号掲載

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