「宍戸錠」娘が明かす「1300人斬り父」と母の秘密

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離婚してほしくない

 そして、ギャングには女がつきもの。宍戸は私生活でもそれを実践した。

「抱いた女の数は世界で3番目に多い」と公言し、本人によると、その数1361人。妻の游子(ゆうこ)さん(2010年に逝去)がいるにもかかわらず、平気で自宅に浮気相手を連れ込んだりもした。

 80歳を迎えた6年前には5日連続で違う女性を抱いたと、週刊誌上で自慢していたものだ。

「女性との交際は何千人と父は言いますが、父はきれいに遊べる人だったと思います。外に子供を作ったりすることもありませんでしたから」

 もちろん、妻の游子さんは何度も離婚を考えたという。

「母にとっては大変なことでしたが、私は離婚だけはしてほしくないと言い続けていました。実際二人は、喧嘩をしているようで、私の見えないところでは仲が良く、お互い想い合っていました」

 そんな游子さんがしえさんに託した遺言は、父親を最後まで「宍戸錠」でいさせてほしいというものだった。7年前には住み慣れた自宅が全焼、不幸が重なり、荒れた生活を送った時期もあったが、映画に対する情熱は衰えなかった。卒寿に向け宍戸が練っていた映画のテーマは「90歳の殺し屋」。

「父の最期の姿はまるでスクリーンの中でギャングが倒れているワンシーンにも見えました」

 そう、しえさんは振り返るのだ。

週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

ワイド特集「コロナの陰に『オンナの事件』」より

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