文在寅も高笑い「慰安婦婆さんニセ者」説に踏み込めない保守勢力のジレンマ

国際 韓国・北朝鮮

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 文在寅大統領が「コロナ防疫で世界をリードしている」と高らかに宣言しても、足元では、反日団体の内ゲバが進行中である。保守派にとって、仇敵である左派の慰安婦団体「正義記憶連帯(旧挺対協)」を叩く絶好機だったのに、批判はやがて鳴りを潜めて……。シンシアリー氏がそのメンタリティーを描写する。

慰安婦団体批判は不敬罪

 日本側のネットでもたまに話題になるが、韓国側は、何かあればすぐ「裏切られた」とし、「後頭部を殴られた」と表現する。トランプ大統領とハグしたことで有名な自称・元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏もまた、「利用されてきた」とし、30年も活動を共にしてきた慰安婦団体「正義記憶連帯(旧挺対協)」の前理事長、尹美香(ユン・ミヒャン)氏の後頭部を殴った。

 保守系のマスコミにとって、これは好機だった。正義記憶連帯、旧挺対協及びその支持者たちは、左派勢力の代表格の一つでもあるからだ。今まで、保守系の「朝鮮・中央・東亜」日報という韓国屈指の大手マスコミが、挺対協を批判できた唯一の名分は、「彼らは親北勢力と仲が良い」だった。

 しかし、韓国は、もはや反共(反・北朝鮮)が反日に勝てる社会ではない。下手に慰安婦団体を批判したら、それはもはや不敬罪。逆に保守派が国民の支持を失うことになる。

 そんな保守派の彼らに、チャンスが来たのだ。日本を貶めるための最高最強のネタである慰安婦。特に米国下院で関連決議案を成立させた主役の一人・李容洙氏の存在は、韓国ではまさに聖母そのものである。

 その李容洙「様」が、なんと、憎き正義記憶連帯と尹美香氏を非難したのだ。これはもう叩くしかない。

 正義記憶連帯と尹美香氏が寄付金をどこに使ったか明らかではない、会食費の使いすぎ、正義記憶連帯の会計帳簿から22億ウォンが消えている……などなどの記事が続いた。正義記憶連帯側は必死に反論したが、パッとしない。会計帳簿の件は、国税庁のプログラムの問題だと主張した。もちろん、同じプログラムを使う他の法人にはそんな問題は発生していない。関係ない国税庁もまた、後頭部を殴られたことになる。

 すると、朝鮮日報は5月14日、《尹美香氏が自分の個人口座で寄付金を募った》と報じた。何度も、複数の口座を使ったという。この「法人が個人の口座で募金すること」は、市民団体としては致命的な汚点だそうだ。「市民団体なら、責任を持って活動をやめるのが一般的だ」と露骨に書いている。

 面白いと言えなくもない。私は、そもそも性奴隷としての慰安婦のイメージなど、信じていない。性奴隷などと嘘をついて政治勢力となった連中が、その嘘のせいで困っている。決して愉快な笑いではないが、呆れた笑いならできないこともない。

 でも、やはり、韓国保守の攻撃は、心から喜べるものではなかった。なぜなら、いま韓国内で行われている批判の全ては、慰安婦問題に対するものではない。ただ、尹美香氏と正義記憶連帯という『左派陣営』への攻撃にすぎない。

 初期には、期待できる展開もあった。本件が騒ぎになった翌日の5月9日、朝鮮日報の記事は、尹美香氏が本件に対して立場を表明しながら、《30年前、李容洙氏の最初の電話は『私ではなく私の友人が(慰安婦だった)……』というものだったと話した》ことを指摘している。

 30年前、慰安婦だった人たちを探していた尹氏に電話をしてきた李容洙氏は、《慰安婦だったことを明らかにしたくないから、(李氏の)友だちが慰安婦だった、と話した》というのだ。朝鮮日報は、この話を額面通りではなく、別の解釈をしている。《まるで、李容洙氏は慰安婦出身ではないとするような反応だ(※韓国語記事からの直訳)》、と。

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