「ビートたけし」愛人妻の保険証詐欺 不正を指示された元弟子が実名証言

エンタメ

  • ブックマーク

不正使用の総計45回!

 それにしても、どうして横井氏は、たけしのために石塚さんの保険証を使おうと考えたのだろうか。

「殿の保険証は幹子さんが持っていました。殿が横井さんと同棲する以前は、何かあると私が幹子さんのもとに保険証を取りに行っていた。でも同棲後、当時愛人だった横井さんは正妻だった幹子さんのところに私を行かせたくなかったのかもしれません」(石塚さん)

 しかも、「横井氏発案」の保険証のなりすまし使用は1回限りの「できごころ」ではなかった。

「その後も、私の保険証の番号が医院に登録されていて、私以外の事務所の人間が、横井さんに言われて医院に薬をもらいに行っていたようです。私自身も、16年の2月頃に再び問題の医院に足を運んでいます。夜、横井さんから『彼(たけし)が風邪っぽいから今すぐ医院に行って薬をもらってきて』と電話がかかってきたんです。私はその年の3月2日にバンドのライブが控えていて、医院近くの貸しスタジオでドラムの練習をしていました。その時に横井さんから電話がかかってきたのでよく覚えています。この時とはじめの時、私が医院に殿用の薬を取りに行ったのは2回だけです」(同)

 石塚さんが医院に向かうと、夜遅かったためすでに閉まっていたが、

「2階が院長先生の自宅だったのでそこに行ったら、先生が在宅していて、『横井さんから聞いています』と言い、その場で薬を渡してもらいました。殿用のものです。この際、私は自分の保険証を見せてすらいません」(同)

 ではなぜ、この時も石塚さんの保険証(番号)が、たけしが処方薬をもらうために不正使用されていたと分かるのか。

「横井さんが私に、『これ、確定申告に必要でしょ』と言いながら、問題の医院発行の領収証を渡してくることが何度かありました。私はその医院で一度たりとも診察を受けたことがありません。それなのに私が診察を受け、処方薬をもらっていたことになっている領収証が何枚も発行されていた。私の保険証が『何者か』に不正使用されていた証です。そして私が保険証を他人のために貸したのは、横井さんに殿の薬をもらってこいと命じられた時だけ。つまり、一度もその医院で診察を受けたことがない私になりすますことができるのは殿、実質的にはそれを指示した横井さん以外にあり得ないのです」(同)

 現在、石塚さんの手元にある過去約5年分の〈国民健康保険医療費のお知らせ〉を確認すると、問題の医院における保険証のなりすまし使用の頻度は概(おおむ)ね月1、2回程度。総計では、実に45回にも及ぶ。さらに遡れば、実際にはそれ以上に増える可能性がある。

 医師であり、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が指弾する。

「継続的に他人の保険証を使用していたのであれば悪質で、異様な行為と言わざるを得ません。たけしさんは何もかも新妻となった女性に丸投げし、尻に敷かれていたということなのではないでしょうか」

 改めて浮き彫りになった、公的医療制度をも蔑(ないがし)ろにする横井氏の「専横」。そして彼女に振り回されて晩節を汚すたけし――。

次ページ:なりすまし使用には詐欺罪の適用も

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。