「ビートたけし」愛人妻の保険証詐欺 不正を指示された元弟子が実名証言

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「医院に話を通してある」

 13年に知り合ったたけしと横井氏は急速に接近し、ほどなく同棲を開始。その後、たけしの独立騒動、幹子夫人との離婚、そして今年に入ってたけしと横井氏の入籍が明らかになり、ふたりは「恋は盲目」を地で行った。こうして殿を「略奪」した横井氏が、たけしという虎の威を借り、傍若無人な振る舞いを繰り返してどれだけ周囲を戸惑わせてきたか。そのほんの一例を紹介すると――。

 たけしと橋本マナミのキスシーンに嫉妬した横井氏が騒ぎ、以後、たけしは橋本と共演NGになった。

 たけしは横井氏の影響でケチになり、彼女が渡したオフィス北野(現TAP)のタレントの給料資料を見ながら、「このタレント、こんなにもらってるぞ」と、楽屋でスタッフに言いふらすようになった。

 こうした具合に、横井氏に「洗脳」されたたけしのもとから、30年超の盟友である森昌行氏(元オフィス北野社長)やマネージャーなどが次々と離れていったのだ。石塚さんもそのひとりである。

 たけしと袂を分かった彼は昨年10月、断腸の思いで横井氏と、たけしが代表取締役を務める「T.Nゴン」を相手に、1千万円の損害賠償を求めて提訴した。横井氏による度重なるパワハラによって、自律神経失調症を患ってしまったからだ。さらに提訴の背景には、たけしを「幻惑」する横井氏の「真の姿」を法廷という公の場で明らかにしたいとの石塚さんの思いも隠されていた。

 現在も法廷闘争は続いているが、そんな最中、今年に入って区役所から石塚さんにある書類が届く。

〈国民健康保険医療費のお知らせ〉

 こう題され、自分がどれだけの医療費を、どこのクリニックや調剤薬局に払ったかが明記された書類を見て、彼はハタと気づく。自分の保険証が「悪用」され続けていたことに――。

 石塚さんが記憶を繙(ひもと)く。

「私は横井さんに命じられ、殿の薬を処方してもらうために自分の国民健康保険証を貸しました。具体的に言うと、はじめは殿と横井さんが同棲を始めた後のことです。同棲後、彼女はいろいろと殿のことに口出しをするようになり、ある時、横井さんが私に『彼(たけし)の薬が欲しいから保険証を使わせて』と言ってきたんです。横井さんの指示は絶対なので、言われた通りにしました」

 彼女の下命に従い、石塚さんは自身の保険証を携えて都内の医院を訪ねる。

「その医院は横井さんの『御用達』だったようで、事前に『電話で話を通してあるから』と言われました。しかし、いざその医院に着いてみると、受付の方が戸惑っていた。それはそうですよね。私の保険証を使って、他人である殿の薬を出してくれというわけですから。すると、医院長の先生が出てきて、『横井さんから話は聞いています』と、その場ですぐに殿用の薬を渡されました。たしか、風邪薬だったと思います。殿はその場にいないわけですから、当然診察してもらっていません」(同)

 この行為が一体何を意味するのか。厚労省国民健康保険課に確認すると、

「保険証の『なりすまし使用』にあたります。他人の保険証を意図的に、本人になりすまして使用したことが事実であれば大問題です」

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