「古市憲寿」×東大生クイズプレーヤー「鈴木光」 巣ごもりで考えたい勉強とは何か
大学が好き
古市 恋人同士でもついつい「私の気持ち分かってよ」って思っちゃうじゃないですか。何で分かってくれないのって。僕はそういうのが好きじゃないんです。例えば、友人同士でも「なぜ私のこと誘ってくれないの」って怒る人がいるじゃないですか。僕は自分から誘えばいいって思っちゃう。そういう断絶をどうしたら避けられるか。自分から誘えばいい。だから、自分で誕生日会を開いているんですよ。サプライズで祝ってもらうのも申し訳ないから、自分から何十人って呼んで。
鈴木 素敵ですね。
古市 毎回、なんで100万部売れないんだろうなと思っています(笑)。自己評価が高いんです。
鈴木 例えば?
古市 小説でも毎回、傑作ができたと思える。こんな素晴らしいものはないって。だから完成後は悩まない。鈴木さんの自己評価は?
鈴木 人と比べたら、結構シビアかもしれません。今日一日頑張れた日は「徳を積んだな」と思うんです。
古市 徳を積んだらその先には何があるんですか。
鈴木 別に宗教的な意味はなくて、より良いものになりたいというのがあるのかもしれません。自分が今できる最大限を尽くしてみて、そうすると、応援してくれる人が出てきてくれたりします。また、そういう人がもっと面白いものを見せてくれるっていう循環なのかなという気がしています。
古市 すごい。徳を積むなんて考えたこともなかった。
鈴木 頑張ればいいことあるなという気はしていて。大学で良い成績をとれば、著名な先生に会えるチャンスだってあるかもしれません。
古市 何でも突き詰めると、そこには新しい世界が待っている。でも、大学のテストって頑張らない人も多いですよね? 単位をとるためだけだったらそんなに勉強する必要もないし。
鈴木 大学自体が好きなんだと思います。例えば、インターンで弁護士事務所に行くと、大学生っていいなって言われるんです。大学に有名な先生がいて、その人からアドバイスが欲しいと思ったら、授業を受ければいい。でも社会人になれば、そうはいきません。
古市 それは本当にそうですよね。僕は慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)に通っていたんですけど、学費が高くて、単純に授業料で割ると一コマ約4千円もしたんですよ。90分の授業にそのくらいの価値があるなら、先生と仲良くした方が得だと考えていました。
鈴木 大学生の特権ですね。
古市 鈴木さんは何か勉強法とかあるんですか。
鈴木 勉強法ってダイエットに似ているなって思います。例えば、レコーディングダイエットと同じような原理ですけど、1日でどのくらい何をやったかをメモするんです。すると効率よく長く勉強ができる。結構いろいろ試してみてダメなものも沢山あったんですけど、今はそういうところにたどり着いています。
古市 本当にダイエットと同じですね。この前、楽なダイエット法をスポーツトレーナーの方に訊いたら、曰く「レコーディングダイエットでも、1日1食でも、糖質制限でもカロリー制限でも、何でも痩せます。ただし、続けることができれば」と言っていて、その通りだな、と思いました。糖質でもカロリーでも、ある程度抑えたらそりゃあ痩せるじゃないですか。でもそれは生き方を変えること。勉強もそうですよね。
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