【コロナ禍】フランスで出会い系サイトやアプリの利用者が増加 外出制限下の恋愛事情

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 フランスでは、5月11日から段階的に外出制限が解除されています。

 3月から始まった外出制限により社会では様々な変化が起きていますが、それは医療や経済だけにとどまらないようです。

 フランスは、「愛の国」と言われるほど恋愛を大切にすることで知られています。今回の外出制限によりデートができなくなったり、家にいることを余儀なくされたりで恋愛のきっかけもなくなっている…と思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。

 出会い系サイトやアプリの利用者が、外出制限が開始される前より増えているのです。

出会い系業界が軒並み利用者増加

 日本では出会い系サイトというと、犯罪に巻き込まれる、危ないというイメージを持つ方も少なくありません。しかし、そもそもフランスでは、出会い系サイトを利用することは、それほど珍しいことではないのです。真剣な恋愛目的の登録者が多いようで、出会い系サイトで知り合って付き合ったり結婚したり、という話もよく聞きます。

 実際、私の知人にも出会い系サイトで出会って結婚した日仏カップルが2組いますし、私自身も登録してみたことがあります。

 実際にメッセージを送ってくる男性は、「フランスの有名食品メーカーの輸出担当で日本に住んでいる」、「パリの〇〇通りにある本屋で働いている」、といったごく普通の社会人が多いイメージでした。

 例えば、AdopteUnMec(アドプトアンメック)や、Meetic(ミーティック)という大手の出会い系サイトはTVコマーシャルや地下鉄の広告もよく見かけられ、あまり怪しいイメージは持たれていません。

 また、AdopteUnMecは、女性が男性を「ショッピング」するように探すというコンセプトで、「一晩の関係、友達、無期限…」というように女性が希望する付き合いのタイプにより男性を選ぶことができます。男性は自分のプロフィールをアップすることができるものの、自分から女性にコンタクトはとれない仕組みになっているので、女性利用者は他のサイトより安心して使えるのかもしれません。

 出会い系業界は、外出制限が始まった3月17日以降、新規登録やメッセージのやり取り、オンラインビデオ通話など、全体的に20-40%のアクティビティの増加を記録しています。

 3月29日、日本でも知名度の高い出会い系アプリTinder(ティンダー)では、スワイプ(候補相手を気に入るか否かを判断する機能)の1日の利用回数が、2012年のリリース以降最高を記録。4月下旬、イースターの週末にはバレンタインデーの時期よりも20%多い新規登録がありました。

 Meeticはコロナ後に登録者が25%増加し、出会い系アプリhappn(ハプン)は、フランスにおけるユーザー間のやり取りが18%増えました。

 bumble(バンブル)という出会い系アプリは、コロナウイルスの感染拡大以降、世界中でビデオ通話数が21%増加し、平均継続時間は44%増加して18分間になったそうです。つまり「オンラインデート」が増加しているということです。

 またユーザー数の増加により、自分の存在をアピールするために写真を変えたりユーモアのあるプロフィールを書くなどの工夫をしている人も目立つそうです。

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