UVか加湿か…ウイルス対策「最新家電」、ベスト3はこれだ!
ダイソンDyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機PH01
続いて、ダイソンの加湿空気清浄機「Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機」。色は2タイプあり、ホワイトとシルバー基調のものが「PH01 WS」(2019年11月発売)、ブラックとニッケル基調のものが「PH01 BN」(2020年1月発売)だ。
ダイソンといえば、独自のモーター制御技術を使ったサイクロン型掃除機で一世を風靡した後、扇風機、空気清浄機からドライヤーまで、モーター技術を応用した製品を次々に展開している。
その中でも、1台で「空気清浄機」と「加湿器」と「扇風機」という三役の働きをもつ「Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機」は、ダイソン技術の粋を極めた金字塔的な存在とも言える最新家電だ。
まず、空気清浄機としての機能だが、これは従来のものとそれほど変わりはない。そもそも空気清浄機自体が、ある意味で枯れた技術の家電であり、どのメーカーもだいたい似たような技術を使っている。モーターによって空気を送り出し、部屋の中で空気の対流(循環)を引き起こして、今度は吸い込むというものだ。その際に、空気に含まれる花粉や細菌・ウイルスをフィルターでどれだけ補捉できるかがポイントだ。
この点、ダイソンのPH01は、活性炭フィルターで有害なガスを除去するとともに、密閉性の高いグラスHEPAフィルターが「PM 0.1レベルの微細な粒子を99.95%除去」すると誇っている。つまり、超微小粒子ウイルスPM0.1も捕捉するのである。
しかしダイソンPH01が金字塔といえるのは、そういう点だけではない。空気清浄機能に、完全無欠とも思える加湿機能をプラスしてきた点だ。空気清浄機による空気の循環は室内を乾燥させるから、加湿機能が空気清浄機に付加されるのは珍しいことではない。しかし、加湿に使われる水分に細菌が潜んでいると、逆に部屋中に細菌を巻き散らすことになりかねない。
そこでダイソンは、この加湿水分の源泉となる補給水に強力なUV-Cを直接照射し、水に潜む細菌を瞬時に除菌するという技術を開発した。ダイソンによると、「加湿用水内に試験細菌を接種し、UVCライトを通過した後の生菌数を測定」したところ、「1度のUVCライト通過後に99.9%除菌」されたとのこと。これはスゴイ(ちなみにPH01が採用しているUV-C光源の詳細は公開されていないようである)。
実際に使ってみると、なんとも言えない「清涼感」が室内に漂う気がする。いつタンクに入れたか忘れてしまったような補給水でも、UV-Cで「一滴残らず」除菌されていると思うと、安心だ(冬場は出てくる風がちょっと寒いけど、これからの季節はOKでしょう)。
もともと世界で初めて紫外線の殺菌効果を科学的に実証したのは、英国シュルーズベリーのアーサー・ダウンズ(Arthur H.Downes,1851-1938)とトーマス・ブラント(ThomasP.Blunt,1842-1929)だと言われている。二人が1877年、「太陽光がバクテリア(細菌)の成長を妨げる」という検証結果をネイチャー誌(1877年7月12日号)に発表した短い論文は、今でもネットで無料公開されているので、ぜひご覧頂きたい。我々がコロナ時代に紫外線を有効活用できているのも彼ら二人のおかげかもしれない。
さて、その後、紫外線の産業利用が進む中で、メイン市場の一つになったのが上下水道の殺菌。紫外線で水を殺菌するというのは、実は紫外線利用の王道なのだ。それを加湿器に応用するというアイデアは、ダウンズとブラントと同じ英国発祥のメーカーであるダイソンならではと言えるだろう。
このPH01には、温度・湿度・有害ガス・ニオイ・微粒子のセンサーも内蔵されており、本体の液晶部で検出結果をモニターできる。つまりPH01自体が高精度の空気質センサーになるのだ。PH01をWi-Fiネットワークに接続しておけば、外出先のスマホからアプリを通じてチェックもできる。旅行先からでも、自室の「NO2(二酸化窒素)の濃度はどれくらいかな」とリアルタイムでモニターできるのだ(コロナで外出自粛中ですが)。
PH01の価格コム最安値は、7万7900円(2020/5/9現在)。ダイソン公式オンラインサイトや青山などにある直営店(今はコロナ休業中)では各種の割引キャンペーンをやっていることも多いので、そちらで買うのもオススメ。
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