コロナでがん治療が延期、感染者受け入れで収益減 もうひとつの「医療崩壊」

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「がん研有明病院」は看護師1人の感染で手術の8割をストップ

 医療従事者への感染を防げば、院内感染も広がらず、崩壊は食い止められる、はずだった。だが、コロナ禍が長引くにつれて、感染していない人々を巻き込んだ全く別種の医療崩壊の足音が忍び寄っている。

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「果たしてスケジュール通りに治療が進められるのか、不安で仕方がありません」

 そう語るのは、がん研有明病院で治療をしている男性患者だ。

 この患者が不安な心情を吐露するのも無理はない。1日最大40件ほどの手術を行っていた同病院では4月20日に看護師1人の感染が発覚したことがきっかけで、現在、全体の8割に及ぶ手術を行わない方針を打ち出している。...

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