「清宮幸太郎」「吉田輝星」は主力になれるか 日本ハムに立ちはだかる“2025年問題”

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ショートと外野陣の薄さ

 気になるのがショートと外野陣の薄さだ。ショートは期待を込めて平沼の名前を挙げたが、まだまだ攻守ともに未知数な部分が多い。外野手も近藤以外の二人は実績不足だ。このあたりをどう補っていくかが、今後のポイントといえる。

 有原が抜け、長年リリーフを支えてきた宮西尚生が40歳となる投手陣は、野手以上に早急な世代交代が求められる。先発は上沢、リリーフは石川と実績のある二人がまだ30歳前後の若さというのは大きいが、それ以外の顔ぶれは心許ないのが現状だ。

 上沢とともに、先発の柱として期待したいのが吉田輝星だ。昨年は二軍でも思うような成績を残すことはできなかったが、一年目ながら一軍で初勝利をマークしているのはプラス材料だ。今年はある程度我慢しながら、一軍での登板数を増やして、さらに経験を積ませたいところである。

 ただ、昨年の二軍の投手陣を見てみると、ブレイクの兆しがある投手が見当たらない。先発に入れた北浦(2019年二軍成績:19試合3勝5敗、防御率3.38)、リリーフに入れた福田(19年二軍成績:51試合2勝4敗、防御率4.90)も本来は名前を挙げづらい成績である。ルーキーの河野、立野は楽しみな存在ではあるが、先発、リリーフともに投手陣の立て直しは、今後数年間の大きな課題となりそうだ。

 3年後の2023年には北広島市に新たな本拠地となる「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコン フィールド HOKKAIDO)」の開場が予定されている。これまでは限られた予算の中でやりくりする戦略だったが、大谷の去った後はソフトバンクとの差は広がり、楽天やロッテの勢いにも押されている。新球場開場に向けて、楽しみな選手はいるものの、課題も少なくないというのが現状と言えるだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年5月10日掲載

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